配偶者が相続をするときに将来的に支払わなければならないものは…
配偶者は常に相続人となります。多くの財産を配偶者が受け継ぐとともに、別の財産を差し出す事があります。ある財産を配偶者が受け取った代わりに、配偶者が所有する別の財産を他の相続人に渡すことが決まった場合には、別の財産は将来的に支払わなければならないものとなりますから債務として扱われることになるのです。
申告書を提出する期限までに支払う事ができればそれで良いのですが、そうではない場合もあるでしょう。その場合には支払う部分についても債務として扱っておかないと、多くの財産を手にしたことになりますから相続税も大きくなってしまうと言う不合理が発生するのです。
債務は被相続人から受け継いだものではありませんが、相続によって発生したものとして見なされるために、課税価格から控除されるとするのが妥当で、このように定められています。
このようなときには、課税価格に相当する金額についてはどのように計算すれば良いのかが問題となります。債務については控除がなされるわけですが、どこから控除されるのかと言うことが問題となってきます。基礎となる財産は法律によって定められているのですが、この基礎となる財産以外の部分からまず控除されることになります。ですから、基礎となる財産よりもそれ以外の財産が優先して控除されることになるのです。
(配偶者に係る課税価格に相当する金額を計算する場合の債務控除等の方法)
19の2-6 被相続人の配偶者が当該被相続人から相続又は遺贈により財産を取得している場合において、当該相続又は遺贈に係る法第27条の規定による申告書の提出期限までに、当該相続又は遺贈により取得した財産の一部が共同相続人又は包括受遺者によってまだ分割されていないときにおける法第19条の2第1項第2号ロに規定する配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額を計算するときの法第13条の規定により債務として控除する金額は、まず法第19条の2第2項の規定により同条第1項第2号ロの課税価格の計算の基礎とされる財産に含まれないものとされる財産の価額から控除し、これにより控除しきれない金額があるときは、その金額を当該課税価格の計算の基礎とされる財産の価額から控除するものとする。
なお、当該配偶者が代償分割に基づいて他の相続人に対して負担する代償財産を給付する債務は、法第19条の2の第1項2号ロの課税価格の計算の基礎とされる財産の価額から控除するものとする。(昭47直資2-130追加、昭57直資2-177、平6課資2-114改正)