みなし配当について知っておきたい相続税の特例

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みなし配当とは、会社が株主に対して配当金を払っていないのに、支払ったと同じにされるものです。みなし配当を受けたら株主の側で税金が掛けられることにもなっています。
ここでは、みなし配当について知っておきたい相続税の特例をご紹介していきます。

1.「みなし配当」の意味

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みなし配当とは

  • 株主が株式を発行した会社へ、自己の保有する株式を譲渡した時に譲渡益がある場合(売却価格から資本の払い戻し額を差し引いた金額)
  • 合併や会社分割による組織再編に伴って別会社の株式や金銭を受け取った場合
  • 退社に伴って持ち株の払い戻しを受けた場合
  • 会社を解散するときに残余財産の分配を受けた場合

いずれの場合も出資額を超えた部分が配当とみなされ、「みなし配当」として扱われます。

みなし配当は「配当所得」なので、支払った法人側には源泉徴収の義務が生じ、受け取った株主側には税金が掛かります。

みなし配当は「受取配当金」の処理をおこなう必要があり、総合課税での申告が必要になります。

2.相続した非上場株式を発行会社に譲渡した場合の課税の特例解説

2-1.譲渡対価の全額を収入金額とする特例

相続により取得した非上場株式を、相続税の申告期限の翌日から3年以内に発行会社に譲渡した場合に発生した譲渡益は、みなし配当として扱われないこととされています。
この場合、発行会社から受け取った金額の全額が収入金額になり、費用を控除した金額の15%が所得税として、5%は住民税として課税されることになります。
平成25年から平成49年までの間は、復興税として基本所得税の2.1%を所得税と併せて申告することになります。

これは同族会社の経営者に相続が発生した時、相続した人がその非上場株式を売却して相続税を納めるケースが多く、非上場株式の場合は発行会社が買い取ることが多くなるからです。
その時に、売却した相続人には多額のみなし配当が発生してしまう場合があります。
配当控除を考慮したとしても、43.6%もの高い税率が課せられてしまうことになります。

一方、上場株式の場合には上場株式の譲渡の申告分離課税として、20%(所得税15%、住民税5%)の税率で計算されるので、上場株式と非上場株式では相続をする時に税負担のギャップが大きすぎることから作られた特例です。

この特例を受ける場合には、非上場株式をその発行会社に譲渡する時までに「相続財産に係る非上場株式発行をその発行会社に譲渡した場合のみなし配当課税の特例に関する届出書」を作成し、発行会社を通じて所在地の税務署に提出する必要があります。

2-2.相続税額を取得費に加算する特例

非上場株式の譲渡による譲渡所得金額を計算する時には、相続によって取得した非上場株式の相続税評価額を相続財産の取得費に加算して、収入金額から控除することができます。

取得費に加算される金額は、加算前の譲渡所得金額になります。

この特例を受けるには、確定申告が必要になります。
確定申告書に添付する必要がある書類は、相続税の申告書の写し、相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書、株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書の3つです。

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