雑種地の賃借権の相続税評価

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

この質疑応答には雑種地の賃借権を相続の際に財産評価を行う際の方法が記されています。
雑種地の賃借権の価額は、原則としてその賃貸借契約の内容によってさまざまに変わってくるものになりますが、おおまかにまとめれば次のような2つの方法で財産評価を行うことになりあます。

賃借権を地上権に準ずる権利として評価することが相当な場合

地上権に準ずる権利として評価することが相当である場合についてはその賃借権は
雑種地の「自用地としての価額」と「法定地上権割合と借地権割合のいずれか低いもの」を乗じた計算結果の答えをもってその財産評価額とします。
式でしめすと「自用地としての価額」×「法定地上権割合、借地権割合のどちらか低いもの」=「地上権に準ずる権利として評価することが相当する場合の賃借権」となります。
また地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権は例をあげると、「賃借権の登記がされているもの」「権利金その他の一時金の授受のあるもの」「堅固な構築物の所有を目的とするもの」等があてはまるものにます。

賃借権を地上権に準ずる権利として評価しない場合

この場合においては賃借権はその土地の「自用地としての価額」と「法定地上権割合」を乗じたものを2で割ったものがその評価額となります。
これを式で示すと「自用地としての価額」×「法定地上権割合」×(1/2)=「地上権に準ずる権利として評価しない場合の賃借権」となります。

【照会要旨】
 雑種地の賃借権の価額は、どのように評価するのでしょうか。

【回答要旨】
 雑種地の賃借権の価額は、原則として、その賃貸借契約の内容、利用の状況等を勘案して評価しますが、次のように評価することができます。

(1) 地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権
 雑種地の自用地価額×法定地上権割合と借地権割合とのいずれか低い割合
(2) (1)以外の賃借権
 雑種地の自用地価額×法定地上権割合×1/2

(注)
1 「地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権」には、例えば、賃借権の登記がされているもの、設定の対価として権利金その他の一時金の授受のあるもの、堅固な構築物の所有を目的とするものなどが該当します。
2 法定地上権割合とは、その賃借権が地上権であるとした場合に適用される相続税法第23条に定められた割合をいいます。この場合、その契約上の残存期間がその賃借権の目的となっている雑種地の上に存する構築物等の残存耐用年数、過去の契約更新の状況等からみて契約が更新されることが明らかであると認められる場合には、その契約上の残存期間に更新によって延長されると見込まれる期間を加算した期間をもってその貸借権の残存期間とします。

【関係法令通達】
 財産評価基本通達87
 相続税法第23条


【相続実務アカデミー】実務向け最新の相続知識を無料で!!無料会員登録はこちら
【採用情報 - RECRUIT -】チェスターで一緒に働きませんか?相続業務の魅力・給与・福利厚生ectはこちら
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る