相続税の配偶者控除は期限後申告でも適用可能│条件を解説

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相続税における「配偶者の税額軽減」は、高い節税効果があります。相続税申告期限内に申告できれば問題ありませんが、遺産に関する問題は時間がかかることも珍しくないでしょう。申告期限後でも特例が適用できるケースについてまとめました。

1. 相続税申告期限までに遺産分割協議が終了していれば期限後申告でも可能

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相続税の配偶者の税額軽減とは、一定の金額までなら配偶者に相続税がかからない制度です。一定の金額とは、1億6000万円か、配偶者が受け取る法定相続金額のどちらか高いほうとなります。

少なくない税金が軽減されるため、ぜひ利用したい制度であるといえるでしょう。通常であれば、相続税申告期限までに必要書類を提出する必要があります。しかし、遺産分割協議には時間がかかることも珍しくありません。

遺産分割協議に時間がかかってしまった場合でも、申告期限までに遺産分割協議が終了していれば大丈夫です。期限後申告だけでなく、修正申告での申告や5年以内であれば更正請求での申告も認められています。

2. 申告期限の時点で未分割であれば「申告期限後3年以内の分割見込書」の提出を忘れずに

申告期限がきているのに遺産が分割できていないケースでも、「申告期限後3年以内の分割見込書」を相続税の申告書とともに提出することで税の軽減を受けることができます。

申告期限後3年以内の分割見込書とは、申告期限の時点で分割できていない理由を明確にし、分割の見込みを記載する書類です。

この書類を提出せずに未分割のまま協議を進めては、特例を受けることはできません。また、未分割の状態であっても相続税の申告は必要です。申告せずにいると、追加徴税などのペナルティを課されてしまうでしょう。3年以内に無事解決できたのであれば、相続税の更正請求を行うことで、「配偶者の税額軽減」の特例を受けることが可能です。

3年を過ぎても分割できない場合でも、あきらめる必要はありません。やむを得ない事情であると税務署長の承認を受けることができれば、さらに延長をすることができます。なお、やむを得ない理由に該当するものは、遺産の分割に関する調停や訴訟などです。

3. まとめ

何かと時間のかかる遺産問題のために、さまざまな猶予が設けられています。しかし、必ずしも3年以上の猶予を税務署長に認めてもらえるとは限りません。よりスムーズな解決をするためにも、遺産問題に強い税理士を味方につけておくと安心できるでしょう。


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