財産評価基本通達129の一般動産において、但し書きに書かれている償却費の額の計算方法がこの通達130には書かれています。
償却費とは
償却費とはビルなど、長い年数にわたって使うものは一括で支払うより、支払い年数におうじて、一年ごとに費用を支払うべきであるという考え方から生まれたもので、一括で支払わず、毎年少しずつ費用を支払うという支払い方をしたものです。そしてこの時、一年ごとに分割された費用が「償却費」と呼ばれるものになります。
耐用年数
耐用年数とは、わかりやすく言えば分割する年数のことで、6年にわたって費用を分割して支払うことになっていた場合、耐用年数は6年となります。
耐用年数は耐用年数省令であらかじめ決められていて、鉄筋コンクリート製の事務所等であれば50年、木造建物であれば24年、普通自動車、冷蔵庫、冷暖房であれば六年。などです。
定率法
財産評価基本通達の129「一般動産」において、償却費を計算するとき、その計算方法は「定率法」と呼ばれる方法を用います。定率法は償却費が一定の割合で減る方式です。
定率法の計算式は
「償却費=未償却残高(取得価額-償却累計額)×償却率」によって計算します。
未償却残高は、まだ償却していない残高で、償却率は一定の割合の数値です。
例をあげると、償却率が0.5で、償却する費用が100万円とした時、一年目は100万円×0.5で50万円、二年目は残高50万円×0.5で25万円、三年目は25×0.5で12万5千円と、だんだん償却する金額が少なくなる方式となっています。
【財産評価基本通達130】(償却費の額の計算)
前項のただし書の償却費の額を計算する場合における耐用年数等については、次に掲げるところによる。(昭41直資3-19・平20課評2-5外改正)
(1) 耐用年数
耐用年数は、耐用年数省令に規定する耐用年数による。
(2) 償却方法
償却方法は、定率法による。