保安林とは、森林法などの法律で伐採の禁止や、制限がなされている立木の集団のことで、自由に伐採等ができないことから、通常の立木の評価額より評価額が落ちる事になります。
評価方法
保安林の評価額はまず、財産評価基本通達113「森林の主要樹種の立木の評価」117森林の主要樹種以外の立木の評価」122「森林の立木以外の立木の評価」のいずれかによる方法で保安林でないとした場合の評価額を算出します。
次にそこから伐採関係の区分によって「一部皆伐」の場合であれば0.3倍、「択伐」であれば0.5倍、「単木選抜」であれば0.7倍、「禁伐」であれば0.8倍の割合を評価額に乗じて計算して得られた金額を保安林でないとした場合の評価額から控除します。そして控除して得られた金額が最終的なその保安林の評価額になります。
それを計算式で表すと「評価金額-評価金額×伐採関係の区分による割合」となります。
ここで、「皆伐」は立木を一時的にすべて又は大部分を伐採する方法で、「択伐」は森林の立木を単木に選択して伐採を行う方法です。「単木選抜」はさらに選択の範囲が狭く、「禁伐」は全く伐採を行わない場合になります。
具体例
具体的な例をあげると、保安林でないとした場合の評価金額が70万円で、その保安林が禁伐と分類されている場合
「70万円-70万円×0.8(禁伐の場合の割合)=70万円-56万円=14万円」となるので、その計算結果「14万円」がその保安林の最終的な評価額になります。
【財産評価基本通達123】(保安林等の立木の評価)
森林法その他の法令に基づき伐採の禁止又は制限を受ける立木(次項の定めにより評価するものを除く。)の価額は、113((森林の主要樹種の立木の評価))、117((森林の主要樹種以外の立木の評価))又は前項の定めにより評価した価額から、その価額に、それらの法令に基づき定められた伐採関係の区分に従い、それぞれ次に掲げる割合を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。(平元直評20外・平16課評2-7外改正)
法令に基づき定められた
伐採関係の区分控除割合 一部皆伐
択伐
単木選伐
禁伐0.3
0.5
0.7
0.8