倍率方式によって評価する土地の実際の面積が台帳地積と異なる場合の取扱い

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土地の相続税評価に際して、台帳地積と実際の地積が異なる問題というと、路線価方式で評価を行う場合がすぐに思い浮かべられますが、倍率方式で土地評価を行う場合にも、このことは影響を与えます。以下では、この問題について解説します。

倍率評価における台帳地積と実際の地積の際の問題

土地の相続税評価を倍率方式で行う場合には、評価対象地の固定資産税評価額に土地の種目に応じたその地域の評価倍率を乗じた額を基本とします。そこには、評価対象地の地積は出てこないので、一見すると、倍率評価を行う場合には、土地の台帳地積と実際の地積が異なっても問題がないようにみえます。

しかし、固定資産税評価額は固定資産課税台帳に登録されている地積(台帳地積)を基に計算されています。よって、台帳地積と実際の地積が大幅に異なる場合には、固定資産税評価額に評価倍率をそのまま乗じると、土地の正確な評価を行うことはできません。

倍率評価で台帳地積と実際の地積が異なる場合に対する対応について

倍率地域での土地の相続税評価は、固定資産税評価額に評価倍率を乗じて計算すると規定されていることから、台帳地積と実際の地積の差異にかかわらず、土地評価に固定資産税評価を用いるという考えもあります。

しかし、相続税評価における地積は実際の地積によるという基本原則によって、倍率評価地域の土地の相続税評価において、台帳地積と実際の地積が異なる場合には、その差異を評価額に反映させる修正を行った上で、その修正した価額を評価額とすることになります。

「質疑応答倍率方式によって評価する土地の面積が台帳地積と異なる場合の取り扱い」について

その場合の評価の具体的方法を示したのが、国税庁が公表している「質疑応答倍率方式によって評価する土地の面積が台帳地積と異なる場合の取り扱い」です。これによると、
倍率地域において台帳地積と実際の地積が異なる場合の土地の相続税評価は、次のようになります。

それは、評価対象地の固定資産評価額に、固定資産課税台帳に登録されている地積に占める実際の地積の割合を乗じ、それによって算定された修正固定資産税評価額に評価倍率を
乗じ、評価対象地の相続税評価額を求める、という方法になります。

例えば、評価対象地の固定資産税評価額を120万円、台帳地積を120㎡、実際の地積を100㎡、その土地の評価倍率を1.1とした場合、この土地の相続税評価額は、120万円×100㎡
/120㎡×1.1=110万円となります。ちなみに、修正を行わない場合の同評価額は、120万円×1.1=132万円となります。


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