借地権の相続税評価を3ステップで分かりやすく解説

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被相続人が持っていた建物が、誰かに借りた土地に建っていた場合、その建物はどう相続されるのでしょうか?
もちろん、建物は土地がなければ存在できませんので、建物を残して土地を返すことはできません。そのため、その土地を借りる権利である借地権も相続することになります。

借地権というのは、「借地借家法」という民法の特別法で、主に賃借人(借り手)を保護している法律です。この法律によって、土地を借りる権利は「借地権」として守られるのです。そのため、被相続人死亡後も借地権は失われることなく、相続人が継続して土地を使用することができます。

ただし、相続するからには必ず相続税がかかってきます。相続税が課税されるということは、その金額を算出しなければいけません。

なお、借地権は、その期間によって以下のような3つの区分に分けられています。

(1)借地権 …… 30年以上の契約期間で更新可能な、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権(借地借家法第3条)

(2)定期借地権 …… 50年以上の契約期間で延長できない旨が規定されている借地権(借地借家法第22条)、事業用の定期借地権(同23条)、建物譲渡特約付借地権(同24条)

(3)一時使用目的の借地権 …… 臨時設備の設置などのための一時的な借地権(同25条)

このうち、ここでは(1)借地権について、評価額の算出方法を解説していきます。

借地権の評価

借地権の評価額の算出方法は、以下の手順で行うことになります。

(STEP1)自用地としての評価額の確認

借地権の場合でも、土地の評価について基本となるのは、その土地の路線価などの評価額です。つまり、まずはその借地権の対象になっている土地が自用地(自分が持っている誰の権利の目的にもなっていない更地)だと仮定した場合の評価額を調べておく必要があります。

(STEP2)借地権割合の確認

もちろん、借地権の評価額が、自用地としての評価額を上回ることはありません。その土地ごとに、自用地としての評価額に対して、借地権がどれくらいの割合の価値を持っているのかという「借地権割合」を使って、自由地としての評価額から算出されるのです。

「借地権割合」は、地代の価額や実際に売買されている金額、土地鑑定士など専門家の鑑定結果などを参考にして国税庁が決めているものです。具体的には、土地ごとにA:90%、B:80%、C:70%、D:60%、E:50%、F:40%、G:30%の5つの割合が振り分けられています。
実際には国税庁のホームページに掲載されている財産評価基準書(路線価図や評価倍率表)に提示されていますので、そこで確認することが可能になっています。

(STEP3)借地権の評価

借地権の評価額は、自用地としての評価額と借地権割合を乗じた価額です。この2つの値は、上述した路線価図や評価倍率表を見ればまとめて確認できるようになっています。

例えばある路線価図を見ると、主要路線ごとに「130D」などという記載があります。これが自用地としての1平方メートルあたりの路線価(千円単位)と、借地権割合を示しています。
つまり、「130D」であれば、1平方メートルあたりの路線価が13万円で、借地権割合はD:60%ですので、1平方メートルあたりの借地権の評価額は、78,000円になるわけです。

【参考】
国税庁 タックスアンサー No.4611 借地権の評価


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