原野の土地の上に存する権利が競合する場合というのは、「財産評価総則基本通達第2章59:貸し付けられている原野の評価」において、賃借権や地上権が発生している原野に、更に「区分地上権や地役権」が発生している場合を指します。すなわち、賃借権や地上権と同時に、「区分地上権」もしくは「地役権」が発生している原野においての賃借権や地上権の評価を税制上でどのように扱うか」という事です。
土地の上に存する権利が競合する場合の賃借権又は地上権の評価
税制上で原野の土地の上に存する権利が競合する場合の賃借権又は地上権の評価については、その「存する権利」の内容によって計算方法が異なります。
(1)区分地上権が競合する場合の賃借権または地上権の評価
原野に賃借権や地上権に加えて区分地上権が競合している場合、次の式に当てはめて賃借権又は地上権の評価を行い、価額を算出します。
[賃借権(もしくは地上権)の評価に基づいて算出した価額]×(1-[区分地上権の評価価額]÷[原野の自用地としての価額])
すなわち、賃借権の評価、もしくは地上権の評価に基づいて算出した価額から、原野の自用地としての価額に対する区分地上権の評価価額の割合を控除した額が、税制上での区分地上権が競合する場合の賃借権または地上権の評価価額になります。
(2) 承役地で地役権が競合する場合の賃借権又は地上権の価額
賃借権や地上権を持つ原野が、地上権が発生している承役地であった場合、次の式に当てはめて賃借権又は地上権の評価を行い、価額を算出します。
[賃借権(もしくは地上権)の評価に基づいて算出した価額]×(1-[地役権の評価価額]÷[原野の自用地としての価額])
すなわち、賃借権の評価、もしくは地上権の評価に基づいて算出した価額から、原野の自用地としての価額に対する地役権の評価価額の割合を控除した額が、税制上での地役権が競合する場合の賃借権または地上権の評価になります。