土地の上に存する権利の評価上の区分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

土地の上には様々な権利が存在し、土地そのものではありませんが、財産評価においては土地と同等の価値があるものとして評価しなければならないものです。土地の上に存する権利の評価上の区分は10種類の権利に区分されており、その区分ごとに別々に評価します。また、土地の上に存する権利が競合する場合は区分ごとに所定の算式により評価します。

評価上の区分

土地の上に存する権利の評価上の区分は他人の土地において工作物又は竹木を所有するためにその土地を使用する地上権、地下又は空中の地上権である区分地上権、小作料を支払って他人の土地を耕作又は牧畜をする永小作権、特別高圧架空電線の架設や高圧ガス導管の敷設、飛行場の設置等の目的のために地下又は空中に上下の範囲を定めて設定された地役権で建造物の設置を制限する区分地上権に準ずる地役権、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権である借地権、借地契約の更新がなく契約期間満了により確定的に借地権が消滅する一般定期借地権・建物譲渡特約付借地権・事業用借地権などの定期借地権等、農地又は採草放牧地の上に存する賃借権である耕作権、鉱泉地において温泉を排他的に利用できる引湯権を含む温泉権、借地権・定期借地権等・耕作権・温泉権を除く賃貸借契約に基づき賃借人が目的物の土地を使用収益することができる賃借権、河川法の河川区域内の土地の占用許可に基づく権利若しくは道路法の道路の占用許可又は都市公園法の都市公園の占用許可に基づく経済的利益を生ずる占用権があります。

【財産評価基本通達 2-1-9】(土地の上に存する権利の評価上の区分)
土地の上に存する権利の価額は、次に掲げる権利の別に評価する。
(1)地上権(民法(明治29年法律第89号)第269条の2≪地下又は空間を目的とする地上権≫第1項の地上権(以下「区分地上権」という。)及び借地借家法(平成3年法律第90号)第2条≪定義≫に規定する借地権に該当するものを除く。以下同じ。)
(2)区分地上権
(3)永小作権
(4)区分地上権に準ずる地役権(地価税法施行令第2条≪借地権等の範囲≫第1項に規定する地役権をいう。以下同じ。)
(5)借地権(借地借家法第22条≪定期借地権≫、第23条≪事業用定期借地権等≫、第24条≪建物譲渡特約付借地権≫及び第25条≪一時使用目的の借地権≫に規定する借地権(以下「定期借地権等」という。)に該当するものを除く。以下同じ。)
(6)定期借地権等
(7)耕作権(農地法(昭和27年法律第229号)第2条((定義))第1項に規定する農地又は採草放牧地の上に存する賃借権(同法第18条((農地又は採草放牧地の賃貸借の解約等の制限))第1項本文の規定の適用がある賃借権に限る。)をいう。以下同じ。)
(8)温泉権(引湯権を含む。)
(9)賃借権((5)の借地権、(6)の定期借地権等、(7)の耕作権及び(8)の温泉権に該当するものを除く。以下同じ。)
(10)占用権(地価税法施行令第2条第2項に規定する権利をいう。以下同じ。)。


【相続実務アカデミー】実務向け最新の相続知識を無料で!!無料会員登録はこちら
【採用情報 - RECRUIT -】チェスターで一緒に働きませんか?相続業務の魅力・給与・福利厚生ectはこちら
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る