土地区画整理事業施行中の宅地の相続税評価

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土地区画整理事業は、都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善および宅地の利用の増進を図るために行われる、土地の区画形質の変更および公共施設の新設または変更に関する事業をいいます。都道府県や市町村など公的機関が行うほか、個人や土地区画整理組合、区画整理会社などが都道府県知事の許可を得て行う場合もあります。

相続財産に土地区画整理事業施行中の地区内にある宅地が含まれている場合、その宅地はどのように評価すればよいのでしょうか。事業の順序を追いながら説明します。

1.仮換地指定までは区画整理前の宅地を評価

土地区画整理事業では、区画整理前の宅地に代わるものとして区画整理後に割り当てられる宅地のことを換地といいます。換地は、区画整理前の宅地と位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めることとされています。土地区画整理事業に必要な工事が終了し、換地を確定させることを換地処分といいます。

土地区画整理事業の開始から換地処分までには長い期間を要するため、その間に仮に換地として指定される宅地を仮換地といいます。仮換地が指定されると、換地処分の公告がある日まで、区画整理前の宅地を使用することはできなくなります。売買することは可能ですが、その場合も、買主が使用できるのは売買した区画整理前の宅地ではなく、仮換地となります。

土地区画整理事業が開始しても、仮換地が指定されるまでの間は、区画整理前の宅地の価額によって評価します。

2.仮換地指定後は原則として仮換地の価額で評価

土地区画整理事業が進み、仮換地が指定された場合の評価方法は、事業の進展の状況によって変わります。

原則ではその仮換地の価額によって評価します。ただし、その仮換地の造成工事が施工中で、工事が完了するまでの期間が1年を超えると見込まれる場合は、完成したものとして評価した価額の95%の価額で評価します。

換地処分により清算金が徴収または交付されることがわかっているときは、その金額も考慮します。清算金が徴収される場合は仮換地の価額から減算し、交付される場合は仮換地の価額に加算します。

また、次のいずれにも当てはまる場合は、区画整理前の宅地の価額によって評価します。

(1) 仮換地は指定されているが、使用開始の日が別に定められていて、その仮換地の使用を開始できない場合。
(2) 仮換地の造成工事がまだ行われていない場合。

3.換地処分後は換地の価格で評価

換地処分によって土地区画整理事業はほぼ終了したことになり、換地処分が行われたあとは換地の価額によって評価します。

【財産評価総則基本通達第2章24-2】(土地区画整理事業施行中の宅地の評価)
土地区画整理事業(土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第2条≪定義≫第1項又は第2項に規定する土地区画整理事業をいう。)の施行地区内にある宅地について同法第98条≪仮換地の指定≫の規定に基づき仮換地が指定されている場合におけるその宅地の価額は、11≪評価の方式≫から21-2≪倍率方式による評価≫まで及び前項の定めにより計算したその仮換地の価額に相当する価額によって評価する。
 ただし、その仮換地の造成工事が施工中で、当該工事が完了するまでの期間が1年を超えると見込まれる場合の仮換地の価額に相当する価額は、その仮換地について造成工事が完了したものとして、本文の定めにより評価した価額の100分の95に相当する金額によって評価する。(平3課評2-4外・平14課評2-2外改正)
(注) 仮換地が指定されている場合であっても、次の事項のいずれにも該当するときには、従前の宅地の価額により評価する。
1 土地区画整理法第99条((仮換地の指定の効果))第2項の規定により、仮換地について使用又は収益を開始する日を別に定めるとされているため、当該仮換地について使用又は収益を開始することができないこと。
2 仮換地の造成工事が行われていないこと。


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