存続期間とは、特許権や著作権などの権利が存続する期間をいいます。
各権利の存続期間はそれぞれの法の目的に沿って定められています。
この通達の場合永小作権がこれにあたります。
そして、永小作権は小作料を支払い、他人の土地において、牧畜または耕作をする権利を言います。
永小作権は設定行為により設定され、譲渡、取得時効、相続などによって取得する事ができます。
ただし、現在では永小作権はほとんど利用されていない権利とされています。
設定行為によって永小作権の存続期間を定めた場合
設定行為で永小作権の存続期間を定める場合は、永小作権の存続期間は20年以上50年とされます。設定行為により、50年よりももっと長く存続期間を定めたとしても、その存続期間は50年に短縮されることになります。永小作権の設定は更新する事ができますが、存続期間は50年を超えることはありません。
設定行為によって永小作権の存続期間を定めなかった場合
財産評価通達に書かれているのはこのケースに相当します。存続期間の定めが無い永小作権の価額は、別段の慣習が無い場合、存続期間を30年とみなされます。
また特別な場合として、慣習がある場合はそれによって存続期間が定められます。
そして存続期間30年とみなされた永小作権は、相続税法第23条「地上権および永小作権の評価」または24条「地上権および永小作権の評価」の規定により、永小作権の価額はその条文にそって評価されます。
【財産評価基本通達43】(存続期間の定めの無い永小作権の評価)
存続期間の定めのない永小作権の価額は、存続期間を30年(別段の慣習があるときは、それによる。)とみなし、相続税法第23条≪地上権及び永小作権の評価≫又は地価税法第24条≪地上権及び永小作権の評価≫の規定によって評価する。(平3課評2-4外改正)