屈折路に面する土地は、その屈折路に内接する土地であり「準角地」とみなされない場合、必ず不整形地になります。
そのために、「財産評価総則基本通達第2章20:不整形地の評価」に記載された方法での、該当不整形地の評価を行うことになります。その際、一番行いやすい方法は「財産評価総則基本通達第2章20:不整形地の評価(2)」で述べられているような、「想定整形地」を使用して不整形地の評価を行う方法となります。
屈折路に面する不整形地の想定整形地
不整形地を評価する際の想定整形地は、該当する不整形地の全域を囲む、正面路線に面する長方形(正方形を含む)を描いて、それを不整形地の想定整形地とします。この場合、屈折路部分の形状や位置、及び不整形地である土地の形状により、図面上では屈折路に面する不整形地の想定整形地のとり方が何種類も可能になります。
例えば「不整形地の一辺に重なるような長方形の一辺として定整形地を描く方法」、もしくは「外接の不整形地場合に、屈折路に接する不整形地の端2点を結んで長方形の一辺として、それを元にして想定整形地を描く方法」や「内接の不整形地の場合に、屈折路の頂点を通る線を長方形の一辺として、それを元に想定整形地を描く方法」、もしくは「屈折路から垂直に伸ばした線と不整形地との接点を長方形の一辺として、更にその辺から垂直に伸ばして屈折先の道路と不整形地の端点とを結んだ点を長方形のもう一点として、想定整形地を描く方法」など、想定整形地の描き方は何種類も可能です。
屈折路に面する不整形地の想定整形地のとり方
税制上で屈折路に面する不整形地の想定整形地のとり方としては、想定整形地である長方形の面積が一番小さくなるものを用いて、相続等の税を評価する場合の想定整形地とします。
このような場合は土地の形状や屈折路の角度により想定整形地のとり方が何種類もあるために、価額の評価を行う際には、考えられる想定整形地をすべて検討した上で最小の面積の想定整形地を選択する必要があります。
【財産評価総則基本通達第2章20】(不整形地の評価)
不整形地(三角地を含む。以下同じ。)の価額は、次の(1)から(4)までのいずれかの方法により15≪奥行価格補正≫から18≪三方又は四方路線影響加算≫までの 定めによって計算した価額に、その不整形の程度、位置及び地積の大小に応じ、付表4「地積区分表」に掲げる地区区分及び地積区分に応じた付表5「不整形地補正率表」に定める補正率(以下「不整形地補正率」という。)を乗じて計算した価額により評価する。(昭45直資3-13・昭47直資3-16・昭57直評22・平3課評2-4外・平11課評2-12外・平12課評2-4外改正)
(1) 次図のように不整形地を区分して求めた整形地を基として計算する方法
(2) 次図のように不整形地の地積を間口距離で除して算出した計算上の奥行距離を基として求めた整形地により計算する方法
(注) ただし、計算上の奥行距離は、不整形地の全域を囲む、正面路線に面するく形又は正方形の土地(以下「想定整形地」という。)の奥行距離を限度とする。
(3) 次図のように不整形地に近似する整形地(以下「近似整形地」という。)を求め、その設定した近似整形地を基として計算する方法
(注) 近似整形地は、近似整形地からはみ出す不整形地の部分の地積と近似整形地に含まれる不整形地以外の部分の地積がおおむね等しく、かつ、その合計地積ができるだけ小さくなるように求める((4)において同じ。)。
(4) 次図のように近似整形地(①)を求め、隣接する整形地(②)と合わせて全体の整形地の価額の計算をしてから、隣接する整形地(②)の価額を差し引いた価額を基として計算する方法