年金支給による退職金の評価及び遺族年金の評価について
普通の場合、退職金は一時金で受け取るケースが多いですが、中には年金の形で受け取る人もいます。このようなケースで当人が死亡したときはその退職金の評価が問題になります。
例えば、5年間据え置き後に10年間支給される退職金の場合は相続税法第24条第1項第1号に定められた価額に5年の基準年利率によって複利原価率を乗じた金額が評価額となります。
また、遺族年金においては相続税が課せられますが、その評価額は上記の相続税と同じ規定を適用します。
例えば、死亡した人に就学中のお子さんがおり、その子供に対して23才になるまで育英資金が年金の形で支給されることになった場合について国税庁の通達を紹介します。
このケースにおいては、育英資金は上記の相続税と同じ規定により相続されたものとみなされますので相続税が発生します。
なお、相続税法第24条第1項第1号には有期定期金の場合、無期定期金の場合、終身定期金の場合とそれぞれのケースにおける評価の決まり方が書いてあります。
因みに、育英資金ではなく国民年金の場合は国民年金法により相続財産とみなされてはいません。国民年金法には「年金給付の受給権者が死亡した場合は、生計を同じくしていた者は、未支給の年金を遺族の名で請求することができる」と記されています。
また、相続税には「契約に基づかない定期金に関する権利」として「みなし相続財産」という規定がありますが、未支給年金はそれに該当するのではなく遺族の一時所得となります。