相続税評価における大規模工場用地

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一団の宅地の地積が一定規模以上となる大規模工場用地の相続税評価を行う場合には、評価上で一定の制約が課されます。では、一体どのような土地が、この大規模工場用地に該当するのでしょうか。以下で解説します。

大規模工場用地とは

大規模工場用地に該当する場合には、当該土地の相続税評価額に関しては、一定の制限が加えられます。

では、どのような土地が大規模工場用地に該当するかということについてですが、それは、相続税評価の基本を定めた財産評価基本通達第2章第2節(22-2)によって規定されています。

それによると、大規模工場用地は、一団の工場用地の地積が5万㎡以上の土地が該当します。

5万㎡とは、正方形であれば幅250m×奥行250mの宅地で、実物ではナゴヤドームの敷地程度の広さとなります。

なお、土地の相続税評価を路線価方式で行う地域にあっては、同基本通達第2章第2節(14-で規定する地区の定めにおいて「大工場地区」内にある宅地以外は、大規模工場用地に該当しません。

ちなみに、同通達で規定する地区の定めは、宅地の利用状況がおおむね同一と認められる一定の地域ごとに、国税庁官が定めるもので、次のように表示されます。
(1)ビル街地区
(2)高度商業地区
(3)繁華街地区
(4)普通商業・併用住宅地区
(5)普通住宅地区
(6)中小工場地区
(7)大工場地区

大規模工場用地の相続税評価上の特色について

相続税評価上の大規模工場用地は、「一団の工場用地」で構成されますが、これは、工場、研究開発施設等の敷地の用に供されている宅地及びこれらの宅地に隣接する駐車場、福利厚生施設等の用に供されている一団の土地をいいます。

よって、工場に隣接するそこで働く従業員用の社宅や寮などの敷地も、一団の工場用地に含まれることになります。

また、評価対象の工場用地が、道路や河川によって物理的に分断されている場合には、その分離されている一団の工場用地ごとに評価を行う必要があります。

大規模工場用地の相続税評価について

大規模工場用地が路線価地域に所在する場合、その相続税評価額は、評価対象地の正面路線価に、評価対象地の地積を乗じて計算します。

一方、大規模工場用地が倍率地域に所在する場合、その相続税評価額は、評価対象地の固定資産税評価額に、当該地の所在する地域に設定されている評価倍率を乗じて計算します。

どちらの場合も、評価対象地の地積が20万㎡以上となる場合には、上記の評価方法で計算した価額に95/100を乗じて計算される価額が、当該地の相続税評価額となります。


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