国土交通省が発令した「都市緑地法」第二節の第12条から第19条において、「特別緑地保全地区」が規定されています。国土交通省のホームページからこの規定の趣旨を引用すると、「都市内の良好な自然的環境となる緑地で、建築などの一定の行為の制限により、緑地を現状凍結的に保全する制度。」とあり「豊かな緑の未来への継承」を目的としています。
そのために「特別緑地保全地区内にある原野」は、この土地緑地法の規定を受けての様々な制約を受けることになります。
具体的には特別緑地保全地区内にある原野について
(1)建築物などの新築や改築を行う
(2)宅地造成などの土地の形状や性質を変更する
(3)原野に生息している木や草を伐採する
(4)原野内にある湖沼や湿地を埋め立てる
などの際に都道府県知事の認可を受ける必要があるという点や、該当の土地の売買に制限がある等の点が、特別緑地保全地区内にある原野の法的制約としてあります。
緑地保全地区内にある原野の評価
税制上で特別緑地保全地区内にある原野の評価を行う場合は、まずその原野が「特別緑地保全地区内ではない」という前提で評価を行います。評価方法は、「財産評価総則基本通達第2章57:評価の方式」から「財産評価総則基本通達第2章58-4:広大な市街地原野の評価」の中での該当する方式に沿って価額を算出します。その上で「該当の原野が特別緑地保全地区内にあることで様々な制約を受ける」という点を加味して、算出した価額の80%を控除分とします。すなわち特別緑地保全地区内にある原野は、「その原野が特別緑地保全地区内のものではない」前提で評価を行って算出した価額の20%が、税制上の特別緑地保全地区内にある原野の評価価額になります。
【財産評価総則基本通達第2章58-5】(特別緑地保全地区内にある原野の評価)
特別緑地保全地区内にある原野の価額は、57((評価の方式))から58-4((広大な市街地原野の評価))までの定めにより評価した価額から、その価額に100分の80を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価する。(平16課評2-7外追加、平17課評2-11外改正)
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