相続税基本通達3-29「退職年金の継続受取人が取得する権利」とは、退職年金を受けている方が亡くなった場合に、一定の相続人等が、その年金を継続して受ける権利を取得した場合には、その年金(一時金を含む)を受ける権利は「みなし相続財産」となることが規定されています。以下では、この通達について解説します。
相続税法第3条「みなし相続財産」について
相続税法第3条では、「みなし相続財産」について規定されています。「みなし相続財産」とは、本来は相続財産ではないが、被相続人の死亡を原因として相続人等が取得する権利であるために、法律の規定により相続財産とみなされて相続税が課税される財産のことをいいます。
また、同法第3条第1項第6号では、被相続人その他の者が定期金(一時金)を受け取る権利を取得した場合には、その定期金等を受け取る権利は「みなし相続財産」に該当する
と規定しています。
相続税基本通達3-29「退職年金の継続受取人が取得する権利」について
退職年金を受けている方が亡くなった場合、その配偶者など一定の遺族が、死亡した退職年金受給者に代って、亡くなった者が受給すべき退職年金を継続して受給する場合があります。
この場合、亡くなった退職年金に代りに退職年金を受ける遺族等が取得した権利について、
それが相続税法第3条で規定する「みなし相続財産」に該当するか否かが問題となります。
これについては、相続税基本通達の3-29において、退職年金を受けている者の死亡により、
その相続人その他の者が当該年金を継続して受けることとなった場合(これに係る一時金を受けることとなった場合を含む。)においては、当該年金の受給に関する権利は、その継続受取人となった者が相続税法第3条第1項第6号の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされる、と規定しています。
この規定により、退職年金を受けている方が亡くなった場合に、その相続人等が退職年金を継続して受け取るような場合には、年金を受け取るその権利は「みなし相続財産」として、相続税が課税されます。また、年金としてではなく一時金として受け取る場合にも、
同様に課税の対象となります。