海外の財産を扱うという意味
相続税と贈与税、相続税は相続の名の通り亡くなった方から受け継ぐ財産で、贈与税の場合は生きている方からもらった財産に発生する税額です。
贈与税は相続税の補完的な意味合いで生まれたものですが、家族から受け継ぐ以外にも友人等の個人からももらう可能性のある贈与税の方が幅広いものとなっています。
さて、そんな相続税と贈与税ですが、財産というのは何も国内だけのものとは限りません、人によっては法施行地外、いわゆる海外に財産を持っていてそれを受け継いだり贈与されたりする可能性というものもあります。
相続税基本通達において邦貨換算という言葉を見かけますが、これは邦貨を換算する、ようするに海外の通貨を円に換算するという意味です。
相続税においては主に相次相続控除の相続税基本通達の中で見ることができ、そこでの規定はその財産がある国の法令に基づいて相続税とされる税額は、その納付する日の相場によって換算した金額とされます。
ただ、この納付というのは国内から送金する日の相場となっています。ですが、送金が遅れる場合にはその限りではないとされます。そして贈与税の配偶者控除にもこの邦貨換算の取扱いの準用があるのですが、この取り扱いもその相次相続控除における邦貨換算の扱いがそのまま適用されます。
お分かりの通り、この規定は相場というものを扱うので変動があります。
よって邦貨換算を相続税と贈与税で取り扱うことになった場合には、その相場に気をつけた方がよいでしょう。
(邦貨換算の取扱いの準用)
21の8-1 法第21条の8の規定による控除税額を計算する場合におけるその地の法令により課された贈与税に相当する税の邦貨換算については、20の2-1の取扱いに準ずるものとする。(昭57直資2-177改正、平15課資2-1改正)