都市計画道路予定地が倍率地域にある場合

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財産評価基本通達では、都市計画道路予定地の評価方法を定めています。ここでは、都市計画道路予定地が倍率地域にある場合の評価方法について説明します。

1.道路予定地への指定は減価要因

宅地が都市計画道路予定地に指定されると、下記のとおり建築が制限されます。

(1)都市計画決定段階

次の要件に該当し、容易に移転・除去が可能な建物は、都道府県知事の許可を受けて建築することができます。

・階数が2階以下で地階がない
・主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これに類するもの

(2)事業認可が下りた段階

事業認可後の敷地に建築物を建てることはできません。

都市計画は一般に、計画決定から事業の施行終了まで長い年月を要することになります。長期間にわたって建築が制限されるということは、土地の価格形成に影響を及ぼします。そのため、都市計画道路予定地に指定されることは減価要因となります。商業地など土地の高度利用ができる用途の地区では、減価の割合は大きくなります。

2.都市計画道路予定地の評価方法

都市計画道路予定地の評価方法は、財産評価基本通達24-7によって次のとおり定められています。

都市計画道路予定地の区域内となる部分が都市計画道路予定地の区域内となる部分でないものとした場合の価額×補正率

「都市計画道路予定地の区域内となる部分でないものとした場合の価額」は、倍率地域にある場合、固定資産税評価額に別途定められた倍率を掛けて算出します。

「補正率」は、地区区分、容積率、地積割合に応じて0.99から0.50の範囲で定められており、補正率が小さいほど減価の割合が大きくなります。「地積割合」とは、評価する宅地の総面積に占める都市計画道路予定地の部分の面積の割合をいいます。

高度利用が可能なビル街地区や高度商業地区では補正率は小さい値に、普通住宅地区などでは補正率は高い値に定められています。同じ地区区分の中でも容積率が高いほど補正率は小さくなり、さらに、地積割合が大きいほど補正率は小さくなります。

3.倍率地域は普通住宅地区として評価

評価する宅地が倍率地域にある場合、地区区分は普通住宅地区であるものとして取り扱います。補正率は、容積率と地積割合に応じて0.99から0.90の範囲で定められています。

なお、都市計画道路予定地であることを考慮して固定資産評価額または評価倍率が定められている場合は、すでに減価要因が織り込まれていることから、上記の評価方法は適用されません。

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