鉱泉地の相続税評価

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地目上で鉱泉地とは、「不動産登記事務取扱手続準則 第68条7号」を引用すると「鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地」と定められています。ここで使われる「鉱泉」とは、環境庁の「鉱泉分析法指針1-1」にて「地中からゆう出する泉水で、多量の固形物質又はガス状物質若しくは特殊の物質を含むか、あるいは泉温が泉源周囲の平均気温より常に著しく高温を有するものをいう。」と定義されており、一般的な湧水とは区別されています。この点を不動産登記所の登記官が現状を調査して、地目を鉱泉地と登記するかどうかを判断し、登記簿に記載します。

鉱泉地の評価方法

税制上で鉱泉地の評価をする場合、次の2つの方法があります。
(1) 倍率方式で評価される地域の鉱泉地の場合
倍率方式で評価される鉱泉地の場合は、他の土地と同様にその鉱泉地の固定資産税評価値に倍率を掛け算して、得られた価額を税制上の鉱泉地の評価価額とします。
(2) それ以外の鉱泉地の場合
倍率方式で評価される地域以外の鉱泉地の場合は、次の方法で評価価額を決定します。
まず、その鉱泉地の鉱泉を利用する宅地の課税時期における価額を評価して算出します。(=課税時期の評価価額とします)
次に、その鉱泉地の固定資産税の基準になった日(注:通常は各基準年度の初日の前年の1月1日)時点での、その鉱泉地の鉱泉を利用する宅地の価額を評価して算出します。(=基準日の評価価額とします)
その2つの評価価額を算出した上で、
[課税時期の評価価額]÷[基準日の評価価額]
の割り算をして、得られた値を鉱泉地の固定資産評価額に掛け算して、得られた価額を税制上の「鉱泉地の評価価額」とします。
国税庁のホームページで評価倍率表や鉱泉地の評価の項目を閲覧して比較すると、多くの鉱泉地では(2)の方法での鉱泉地の評価価額を算出しているケースが多いです。

【財産評価総則基本通達第2章69】(鉱泉地の評価)
鉱泉地の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。ただし、湯温、ゆう出量等に急激な変化が生じたこと等から、次に掲げるところにより評価することが適当でないと認められる鉱泉地については、その鉱泉地と状況の類似する鉱泉地の価額若しくは売買実例価額又は精通者意見価格等を参酌して求めた金額によって評価する。(昭41直資3-19・平12課評2-4外改正)

(1) 状況が類似する温泉地又は地域ごとに、その温泉地又はその地域に存する鉱泉地の売買実例価額、精通者意見価格、その鉱泉地の鉱泉を利用する温泉地の地価事情、その鉱泉地と状況が類似する鉱泉地の価額等を基として国税局長が鉱泉地の固定資産税評価額に乗ずべき一定の倍率を定めている場合 その鉱泉地の固定資産税評価額にその倍率を乗じて計算した金額によって評価する。

(2) (1)以外の場合 その鉱泉地の固定資産税評価額に、次の割合を乗じて計算した金額によって評価する。

(注) 固定資産税評価額の評定の基準となった日とは、通常、各基準年度(地方税法第341条≪固定資産税に関する用語の意義≫第6号に規定する年度をいう。)の初日の属する年の前年1月1日となることに留意する。


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