経理上では、家屋に附属して家屋に一体となって機能している工作物、建造物のことで、その附属設備等の存在により家屋の効用や価値を高める設備のことを指します。
税法上で家屋と附属設備等が分けられて評価されるのは、附属設備等設備には「減価償却費」の視点(経年使用によりその附属設備等の資産価値が下がる)での税法上の評価がなされるものが存在するためです。
附属設備等に該当する設備
附属設備等に該当する設備には、通達によれば次のものに分類されます。
(1)家屋と構造上一体となっている設備
この項目には、家屋の所有者が保有している「電気設備/ガス設備」などの生活ライフラインに関係する設備(直接生活のライフラインに関わらないものは例外品となる)、空調・定温定湿設備や消火/排煙設備や避雷針設備などの生活の安全に関わる設備、昇降設備や塵芥処理設備などの日常生活に必要とされる設備などが該当します。
(2)家屋とは分離しているが、家屋には附属が必要とされる設備
この項目には、家屋のエクステリアとしての塀や門、屋外の井戸(外井戸)、屋外の塵芥処理設備等が該当します。
(3)庭園等に関する設備
この項目には、家屋のエクステリアのうちで、庭園に存在する庭木や庭石、あずま屋、庭池その他の、「庭園内に配置されたものの中でその資産価値が認められるものが存在する」場合に該当します。
税制上では、この3つの分類により、附属設備等の評価方法が異なります。
附属設備等の評価方法
税制上の附属設備等の評価方法は、3つの分類毎にそれぞれ異なります。
(1)家屋と構造上一体となっている附属設備等の評価方法
税制上でこの場合の附属設備等の評価は、家屋の価額に含めて評価を行い、評価価額を算出します。
(2)家屋とは分離しているが、家屋には附属が必要とされる附属設備等の評価方法
税制上でこの場合の附属設備等の評価は、次の方式にて行います。
まず、「減価償却資産の耐用年数等に関する大蔵省令」により、その附属設備等の耐用年数を設定します。次に「所得税法施行令第120条の2第1項第2号ロ」又は「法人税法施行令第48条の2第1項第2号ロ」に規定する定率法を用いて、その附属設備の建築の時から課税時期までの期間(1年未満の端数は切り上げで1年とする。)での減価償却の割合を算出します。
その上で、その附属設備を再建築したと仮定した建築価額に減価償却の割合を掛け算して減価償却費として、建築価格から控除します。そして控除した残額の70%を、税制上でこの価額での、附属設備の評価価額とします。
(3)庭園等に関する附属設備等の評価方法
この場合の附属設備等の評価は、庭園設備を課税時期に調達したと仮定した価格の70%を、税制上の附属設備等の評価価額とします。
【財産評価総則基本通達第3章92】(附属設備等の評価)
(附属設備等の評価)
92 附属設備等の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。 (平16課評2-7外・平20課評2-5外改正)
(1) 家屋と構造上一体となっている設備
家屋の所有者が有する電気設備(ネオンサイン、投光器、スポットライト、電話機、電話交換機及びタイムレコーダー等を除く。)、ガス設備、衛生設備、給排水設備、温湿度調整設備、消火設備、避雷針設備、昇降設備、じんかい処理設備等で、その家屋に取り付けられ、その家屋と構造上一体となっている ものについては、その家屋の価額に含めて評価する。
(2) 門、塀等の設備
門、塀、外井戸、屋外じんかい処理設備等の附属設備の価額は、その附属設備の再建築価額から、建築の時から課税時期までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年とする。)の償却費の額の合計額又は減価の額を控除した金額の100分の70に相当する金額によって評価する。この場合における償却方法は、定率法(所得税法施行令第120条の2第1項第2号ロ又は法人税法施行令第48条の2第1項第2号ロに規定する定率法をいう。以下同じ。)によるものとし、その耐用年数は減価償却資産の耐用年数等に関する省令(以下「耐用年数省令」という。)に規定する耐用年数による。
(3) 庭園設備
庭園設備(庭木、庭石、あずまや、庭池等をいう。)の価額は、その庭園設備の調達価額(課税時期においてその財産をその財産の現況により取得する場合の価額をいう。以下同じ。)の100分の70に相当する価額によって評価する
※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。
なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問い合わせ→記事内容に関するお問い合わせ」よりお問合せ下さい。
但し、記事内容に関するご質問や問い合わせにはお答えできませんので予めご了承下さい。