非上場株式(取引相場のない株式)は、相続で株式を取得した株主が、その株式を発行した会社の経営支配力を持っている同族株主か、それ以外の株主等かの区分により、それぞれ原則的評価方式又は特例的な評価方式の配当還元方式により評価します。
概算は以下の算式で求めることができます。
【計算式】
(会社の資産 - 会社の負債)÷ 発行済株式数 × 相続財産となる株式数
原則的評価方式
原則的評価方法では、対象会社の従業員の人数や、総資産の額、売上高等の指標により、大会社、中会社、小会社のどれに該当するかを判断して、以下の方式で相続税評価額を算出することになっています。
① 大会社
原則として、類似業種比準方式により評価します。この方式は、評価対象会社の類似業種の株価を基にして、評価する会社の一株当たりの配当金額、利益金額及び純資産価額の三つで比準して評価する方法となります。
② 小会社
原則として、純資産価額方式によって評価します。この方式は、会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から負債などを差し引いた残りの金額により評価する方法です。
③ 中会社
大会社と小会社の評価方法を併用して評価します。
中会社の規模に応じて、併用する割合が変わってきます。
【類似業種比準方式】
類似業種比準価額方式では、評価対象会社と同業種の一株当たりの配当や利益、純資産の額を比較し、以下の計算方法によって計算した金額を採用します。
(計算式)
A ×〔b ÷ B + c ÷ C × 3 + d ÷ D〕÷ 5 × 0.7
「A」=類似業種の株価
「b」=評価会社の1株当たりの配当金額
「c」=評価会社の1株当たりの利益金額
「d」=評価会社の1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)
「B」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの配当金額
「C」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの年利益金額
「D」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)
上記算式中の「0.7」は、中会社の株式を評価する場合には「0.6」、同項に定める小会社の株式を評価する場合には「0.5」とする。
【純資産方式】
純資産価額方式は、発行会社が課税時期に仮に清算した場合に株主に分配される正味財産の価値をもって、株式の相続税評価額と考える評価方法です。
詳細な解説は省略しますが、概算としては、次の計算式で計算することができます。
(計算式)
(会社の資産 - 会社の負債)÷ 発行済株式数 × 相続財産となる株式数
特例的な評価方式(配当還元方式)
同族株主以外の株主等が相続した株式は、一定の要件を満たすことで、配当還元方式という評価方法で相続税評価額を算出することになります。
配当還元方式は、その株式を所有することによって受け取る一年間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元(割り戻)して元本である株式の価額を評価する方法です。
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