複数の証券取引所に上場されている株式の評価
証券取引所に上場している株式を被相続人が保有していた場合の評価は、証券取引所で公開されている価格が用いられる事になります。
いつの時期の株価が使われるのかが問題となるわけですが、これは相続によって株式を取得した日の最終価格か、あるいは相続した日を含む月以前の3ヶ月間の最終価格の月ごとの平均の中でもっとも安いものを採用することになります。相続日に急激に相場が上昇したとしても、3ヶ月あれば税制上不利になることはないでしょう。最終価格というのはいわゆる終値です。相続評価では、株価は終値を用いると覚えておきましょう。
銘柄によっては複数の証券取引所に上場している場合もあります。大阪証券取引所と東京証券取引所が統合したことから、複数の証券取引所に上場する銘柄は減りましたが、それでも名古屋証券取引所と東京証券取引所の両方に重複上場している銘柄もあります。この場合には、どちらの証券取引所の価格を参考にすれば良いのでしょうか。
原則としては、その株式を発行している会社の本店所在地からもっとも近い証券取引所だと考えておきましょう。ただ、納税する人の最寄りの証券取引所を選んでも良いことになっています。ですから、有利な方を選ぶのが良いでしょう。
実際のところ、複数の証券取引所に上場をしていたとしても、同じくらいの取り引きがなされると言うことは少ないようです。たいていは圧倒的に一つの証券取引所での取り引きが多く、本社所在地に近い方で多くの取り引きが行われることが多いです。