土地の相続税評価に不動産鑑定評価を使える場合の条件

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土地に対する相続税の申告では、「財産評価基本通達」に基づいて、路線価や倍率評価を用いて、相続税評価を計算していくのが原則です。しかし、それでは、路線価は時価の8割程度であるはずなのに、路線価による計算では、時価を上回ってしまうケースがあります。不動産鑑定評価によって相続税評価を行えるケースもあるのです。

1.土地の評価は原則「財産評価基本通達」に基づいて路線価or倍率評価

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相続税の申告では、資産や負債の評価は時価で行われることになっており、土地などの不動産も同じ考え方です。

しかし、土地に対する相続税の申告では、自己申告による相続税評価ではバラつきが生じてしまいます。そこで、国税庁は職員に対して、課税の公平の観点から、財産評価基本通達による評価とするように指針を出しています。そのため、自己申告による相続税評価では、税務署で通りにくいことから、税理士は原則として財産評価基本通達に基づいて計算しているのが実情です。

財産評価基本通達に基づいた相続税評価の方法は、道路に面する1平米当たりの評価額である「路線価」が決まっている場合には、路線価を用いて計算します。路線価が決まっていない土地の場合、倍率評価(固定資産税評価額に×一定倍率)によります。

2.土地の相続税評価に不動産鑑定評価を使える場合の条件

土地の相続税評価は必ずしも、財産評価基本通達に基づいて、路線価や倍率評価によって計算しなければならないわけではありません。路線価は時価の8割が目安ですが、たとえば、道路との接道が悪い、不整形地で利用できない、土壌汚染が認められるといった土地は、路線価が時価を上回ってしまうことがあります。

財産評価基本通達による計算方法では、実態とかけ離れた評価となる特殊性の高い土地については、不動産鑑定評価を用いることが可能です。財産評価基本通達に基づいたことで、市場価格とかけ離れた評価額となることも、課税の公平感を損なうためです。前述のような特殊な土地では、不動産鑑定評価とすることで、路線価を用いるよりも、相続税評価が下がる可能性があります。

3.不動産鑑定評価を利用する場合には不動産鑑定士に依頼が必要

税理士は財産評価基本通達に基づく相続税評価しかできないため、不動産市場における適正な時価を立証するには、不動産鑑定士と連携して対応する必要があります。土地の相続税評価で不動産鑑定評価を用いる場合には、不動産鑑定士による不動産鑑定評価書を添付すると、税務署に対しての立証書類として有効です。

財産評価基本通達に基づいて路線価による相続税評価で申告をした後、実際には時価との隔たりがある場合には、不動産鑑定士による不動産鑑定評価書を添付して更正請求をすることで、還付を受けられることもあります。

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