日本の唯一の相続税に関する租税条約である日米相続税条約上の外国税額については、計算方法が通常とは少し異なります。以下の3類型となります。
~目次~
1.日米の一方の国で、被相続人・相続人、遺産の受益者が、自国の国籍を有する個人または自国に住所があることを理由に相続税を課税され、他方の国では、その国に相続財産があることだけで、相続税を課税される場合
一方の国で他方の国の相続税を控除(日米相続税条約5条(1))
2.日米の両方の国で、被相続人・相続人、遺産の受益者が、自国の国籍を有する個人又は自国に住所があることを理由に両国で相続税・遺産税が課税される場合
両方の国でそれぞれ計算した相続税額(外国税額控除適用前の税額(以下この項において同じ))から、一方の国で課された相続税額の一部を控除します。日米両国で行う税額控除の合計額は日米いずれか少ない方の相続税額とし、控除額は各国の相続税額に比例して配分します(日米相続税条約5条(2))。
3.日米以外の第三国の財産がありその第三国の租税が課された場合で、日米の両方の国でその第三国の租税について税額控除を適用する場合
日米でそれぞれ第三国の財産に係る外国税額控除を適用した後の相続税額のうち、日米のいずれか低い方の相続税額(日米両国の財産に対する外国税額控除適用前の税額(以下この項において同じ))を限度とし、その相続税額で(2)のとおり比例して配分します(日米相続税条約5条(3))。