FXポジション(損益が未確定の状態)の相続税評価方法と相続手続き

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FX取引を行っていた被相続人が亡くなった場合、FXポジションというものが発生することがあります。決済が行われずに通貨を所持したままの状態のことです。FXポジションがあった場合、相続税はどのように評価を行うのが正しいのでしょうか。FXポジションにおける評価と相続の流れをご紹介していきます。

1.FXとは?

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FXとは、日本語で外国為替証拠金取引のことです。証拠金取引とは、証拠金という一定の金額を担保にすることで、証拠金として預けた金額の何倍もの取引を行えることを指します。つまり、FXとは証拠金をもとに、日本円と米ドル、日本円とユーロなどといったようにペアで通貨の取引をするというもの。レバレッジといって、証拠金の2~20倍もの取引ができる点が特徴的な金融商品です。オンライントレードが行われるようになってから、一般にも広く浸透するようになりました。

2.FXポジションとは?

通常FXでは、買いでも売りでも、決済をしたときにはじめて損益が確定します。FXポジションというのは、まだ損益が確定しない未決済の状態を指します。

安く買って、高く売るか、または高い時に売って、安い時に買えば利益が出るわけですが、買ってからまだ売っていない状態、売りに出してからまだ買っていない状態がポジションという状態です。

2. FXポジション(損益が未確定の状態)の相続税評価方法

FXは信用取引の一種です。基本的には株取引の信用取引と同様に相続税の評価を行っていきます。株取引との相違点は、支払日歩や逆日歩の代わりにスワップポイントといわれる利息が発生するということです。

損失が出ていた場合には証拠金・預り金と相殺した上で、それでプラスの差異があれば財産として、損失となれば債務として相続税評価を行います。

なお、スワップポイントは、財産にも負債にもなり得る性質のものです。買い取引、売り取引どちらの場合であっても、スワップポイントで利益を得ている場合は、財産に、損をしている場合は負債に持っていき評価を行います。

また、ここでいう評価額とは基本的には被相続人が死亡した日の最終価格のことです。

3.FXの口座の相続手続きについて

FX口座の取り扱いは、基本的に銀行口座と同様です。証券会社に相続の連絡を行った時点で、口座は凍結されます。FXポジションがあった場合は、口座が凍結されると同時に、通常は売りや買いによってポジション分が決済されるということです。

そのため、相続をする場合は、決済によって生じた残高を相続するという形になります。しかし、相続といってもその他の金融機関同様に名義変更のみで相続ができる訳ではありません。相続人が新しく口座を開設して、新しい口座に移すという形で相続が行われます。

もし、亡くなった被相続人がFX取引をしている場合は、相続人が証券会社に連絡を入れて、新たに口座開設の必要があれば、必要な手続きを行っていかなくてはなりません。

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