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給与所得者の特定支出控除の改正
2012/05/01
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特定支出控除の制度とは、給与所得者(サラリーマン)自身が支払った特定支出が給与所得控除額を超えるときは、その超えた金額を確定申告により、給与所得控除後の金額から差し引くことができるものです。しかし、現行では、特定支出額が給与所得控除額を超えることがほとんどないため、この制度の利用者は年間10名前後にとどまっており、かなりマイナーな制度でした。
今回、給与所得控除に上限が設けられたことに併せて、現在ほとんど利用されていない特定支出控除の利便性を高めようと、改正が行われました。なお、適用時期は、平成25年分以後の所得税及び平成26年度分以後の個人住民税からです。
改正の内容は以下の2点です。添付書類等の具体的な要件については、今後発表される予定です。
<1>特定支出範囲の拡大
従来、特定支出とされる費用の範囲は、下記①~⑤しか認められていませんでした。
- ① 通勤費
- ② 転勤に伴う転居費用
- ③ 研修費用
- ④ 資格取得費(弁護士、公認会計士などの資格は除く)
- ⑤ 単身赴任時の帰宅費用
今回の改正で、特定支出とされる費用に下記⑥⑦が追加されました。
- ⑥ 弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費
- ⑦ 図書費、衣服費、交際費(これらの勤務必要経費は、65万円を上限額とする。)
※上記はいずれも「職務遂行に直接必要な」という条件が付きます。
また、給与の支払者から補填される部分があり、その部分に所得税が課税されていなときは、その部分は特定支出から控除されます。
<2>特定支出控除適用判定・計算方法の見直し
従来、特定支出として控除できる金額は、その年の特定支出の合計額が、次の部分を超える部分の金額に限られていました。
⇒「給与所得控除額」
今回の改正で、特定支出として控除できる金額は、その年の特定支出の合計額が、次のそれぞれの金額を超えるときは、その超える部分の金額が、給与所得控除に加算して控除出来ることになりました。
- ◎その年の給与等の収入金額が1500万円以下の場合
⇒「給与所得控除額の1/2相当額」 - ◎その年中の給与等の収入金額が1500万円を超える場合
⇒「125万円」
※本記事は記事投稿時点(2012年5月1日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。
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