相続税の評価において、市場での評価が難しい財産では、客観的な判断のため、基準年利率を割り出したうえで、評価に必要となる複利年金原価率などを確認することがあります。それでは、そもそも基準年利率とはなんなのか。基準年利率の考え方と実際に評価で利用されるケースについて解説していきます。
1.基準年利率とは?
>>無料会員に入会すると、実務で使えるオリジナル書式をプレゼント!!基準年利率は、相続税の計算などで基準となる利率のことです。日本証券業協会によって公表されている利付国債の複利利回りをもとにして算出されています。区分としては、1~2年の短期、3~6年の中期、7年以上の長期の3つに分けられ、国債の複利利回りからも推測できるように、一定期間収入等が見込まれるものにおける相続税の計算で使用される利率です。
例として挙げられるのが、著作権。毎年収入が見込まれるものであり、金融機関に収入で得た額を預け入れることで利息が発生することから、利息分を割り引くために、基準年利率を用いたうえで評価を行います。
ちなみに2004年6月に法律が改正されるまでは、短期や長期の区分に関係なく、基準年利率は一定の利率で固定されていました。さらに、金利情勢に合わせて都度変更という形をとっていました。しかし、金利情勢というものは変化していくものですし、短期と長期ではリスクも異なるものです。法改正以降は、基準年利率は3つの区分を設けたうえで、月ごとに更新されるようになっています。月ごとに更新されるようになってから、より安定して評価できるようになりました。
2.相続税で基準年利率を使用するケース
相続税のうち、一定の財産の評価においては、基準年利率が重要になります。基準年利率から相続税の財産評価に必要な、複利年金原価率、複利原価率、年賦償還率、複利終価率が明らかになるためです。つまり、こうした複利年金原価率を算出しなければならない財産では基本年利率をまず確認することが必要になります。基準年利率を確認する必要がある財産について見てみましょう。
●定期借地等
決められた契約期間に限った借地権のことです。定期借地等の評価では基準年利率に基づいた複利年金原価率が用いられるほか、設定時の経済的利益の総額算出においても、複利年金原価率と複利原価率が必要になってきます。
●特許権や著作権
特許権や著作権というのは、長期的に収入が発生する可能性のある財産です。特許権では基準年利率で割り出した複利原価率、著作権では複利年金原価率を用いて評価を行います。
●鉱業権
鉱業権は鉱物の採取における権利ですが、著作権同様長期的な利益を生み出す財産であることから、基準年利率をもとにした複利年金原価率によって評価します。
●営業権
事業を相続した際の営業権とは、客観的な評価が難しい会社としての力、影響力などのことです。財産として考えられ、評価では基準年利率を用いた複利年金原価率を計算に取り入れます。
●その他の基準年利率が必要な財産の評価
ほかにも、基準年利率で算出される複利原価率は、清算中の会社における株式、信託受益権、ゴルフ会員権の評価で取り入れられています。
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