相続税の評価において小規模宅地等の特例が適用されるかどうかは、課税額に大きく影響します。「相当の対価」は、小規模宅地等の特例の一つである貸付事業用宅地の重要な成立要件です。けれども、実は「相当の対価」の定義は法令や通達に規定が無く、過去の裁判の判例が判断材料となります。「相当の対価」について解説していきましょう。 1.「相当の対価」は貸付事業用宅地の特例の重要な成立要件 「相当の対価」とは、主……
記事を見る相続に関する知識コンテンツ
売買契約中に相続が発生した場合の小規模宅地等の特例
宅地等の売買契約中に相続が生じた場合、実務上、小規模宅地等の特例を適用することができないと解釈するのが通例となっています。その具体的な理由と、相続人となった売主および買主双方の財産評価の方法について、確認していきましょう。 1.売買契約中に相続が発生した場合、原則として小規模宅地等の特例が使えないワケとは ある土地の売買契約を締結したあと、実際に土地の引き渡しを待たずに、売主あるいは買主が亡く……
記事を見る小規模宅地等の特例の家なき子特例について徹底解説
故人が住んでいた宅地の相続は、都心部などでは高額な相続税が発生しますが、小規模宅地の特例が受けられれば、大幅に軽減されます。小規模宅地の特例で、配偶者や同居の親族以外が適用を受ける「家なき子特例」について解説していきます。 1.「家なき子」とは、どういった状態を意味するのか? 小規模宅地の特例とは、故人が居住していた住宅の土地の相続で、相続税が8割軽減される特例です。いわゆる「家なき子」といわ……
記事を見る保険金受取人が死亡した場合の課税関係
生命保険の被保険者が亡くなると保険金が支払われますが、保険料を相続人が負担している場合は相続税の対象となります。それでは、保険金受取人が亡くなった場合は相続や課税についてどのようになるのでしょうか。保険金受取人が亡くなった場合の相続と手続きについて解説します。 1.保険金受取人が死亡しても“受け取り権利”は相続されない 生命保険の契約では、保険の対象となる被保険者、保険料を実際に払い契約を行う……
記事を見る小規模宅地等の特例の税務署添付書類を徹底解説
相続の際に小規模宅地等の特例を受ける場合には、特例適用後に相続税が発生しない場合でも、税務署に相続税の申告を行わなければなりません。特例の種類によって添付書類は異なりますので、事前に準備しておく必要があります。相続税の申告書に添付が必要な書類について、ケース別に解説いたします。 1.小規模宅地等の特例の種類ごとに添付書類が異なる 小規模宅地等の特例適用には相続税の申告が必要になりますが、その特……
記事を見る社宅の相続税評価は貸家建付地ではなく自用地評価になる
会社保有の土地に従業員のための社宅を建てていた場合のその土地の相続税評価はどうなるのでしょうか?自分の土地ですが、自分は住んでいませんし、賃貸借契約をしているわけでもありません。今回はこの「社宅の敷地の評価方法」について見ていきましょう。 1.社宅の相続税評価は貸家建付地ではなく自用地評価 1-1.社宅の敷地の扱い 社宅は従業員のために会社が用意した住居のこと。従業員は使用料を払って住むこと……
記事を見る「配当還元方式」による非上場株式の相続税評価方法
非上場の株式のうち、同族関係者であれば、原則的評価に基づき相続を行うことになります。しかし同族関係者ではない場合は評価方法が異なります。同族関係者でない場合に用いるのが、特例的な評価方式である配当還元方式です。配当還元方式の評価方法について詳しく確認してみましょう。 1.「配当還元方式」とは 取引相場のない株式については、基本的に原則的評価に則って、類似の業種をもとにした評価や純資産に照らし合……
記事を見る騒音がする宅地に10%評価減が適用可能かどうかの判断基準
線路沿いの土地や、近くに高速道路が通っている土地の場合などは、利用価値が低下している宅地として、評価減できるのでしょうか。今回は、騒音がする宅地の相続税評価について解説します。 1.騒音がする宅地の相続税評価 線路沿いの土地の場合には、騒音の問題があるため、評価減できる可能性があります。騒音がする宅地といっても、利用価値が著しく低い宅地として減額できるかどうか、何を基準に判断するのでしょうか。……
記事を見る「筆頭株主グループ」の実務的な判定方法
相続の際、上場している株式であれば客観的な評価ができますが、非上場の株式は市場性がないため、ケースごとに見ていく必要があります。非上場株式の場合で、まず確認する必要があるのが筆頭株主グループです。筆頭株主グループの範囲とはなにか、判定方法を確認してみましょう。 1.「筆頭株主グループ」とは議決権が最も多い同族関係者グループのこと 会社の株式を所持している人や法人のことを株主と言いますが、筆頭株……
記事を見る権利落ちした上場株式の相続税評価の基準日
上場株式の評価は、基本的に被相続人が亡くなった日の最終価格によりますが、権利落ち日が近い場合は通常とは異なる方法により評価する必要があります。今回は、権利落ち日から実際に権利が履行される基準日の間に相続が発生してしまった場合の評価の考え方を確認してみましょう。 1.上場株式における権利落ちとは 企業の発行する株式は、もともと投資家に株式を買ってもらい、会社を経営するための資本を確保しようという……
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