日本の唯一の相続税に関する租税条約である日米相続税条約上の外国税額については、計算方法が通常とは少し異なります。以下の3類型となります。 1.日米の一方の国で、被相続人・相続人、遺産の受益者が、自国の国籍を有する個人または自国に住所があることを理由に相続税を課税され、他方の国では、その国に相続財産があることだけで、相続税を課税される場合 一方の国で他方の国の相続税を控除(日米相続税条約5条(1……
記事を見る相続その他
日本の遺言書で海外財産を指定した場合の取り扱い
海外財産の所在地の法律を調べる必要がありますが、「遺言の方式に関する法律の抵触に関する条約」を批准していれば、遺言を保護しようとする観点から、様式の異なる遺言も有効としています。日本でも当該条約を批准しているため、条約の内容を「遺言の方式の準拠法に関する法律」にて規定しています。 日本の遺言書が有効であっても、実務上、法制度の異なる国の機関で他国の遺言書の有効性を判断することは難しいため、財……
記事を見るジョイント・アカウントと相続税
ジョイント・アカウントとは、2名以上で1つの銀行口座を共同所有できる銀行口座です。夫婦で作成する口座が一般的ですが、家族に限らず、友人や知人でも作成が可能です。 メリットとして、共同口座のいずれか一方のみのサインで引出ができるように設定をしていると、夫の資金を妻が自由に生活費として引き出すことが出来ます。 また、名義人の一方に相続が起きた際にも、生存者権利取得口座(Survivorship……
記事を見るハワイにある不動産の相続手続き方法
ハワイにコンドミニアムを所有している日本人が死亡した場合、そのコンドミニアムの名義変更、売却手続きは、どのように行われるのでしょうか。 1.準拠法 日本人がハワイで死亡した場合には、日本では「法の適用に関する通則法」により、本国法つまり日本の法律が準拠法になります。理論的には、日本の相続法に当てはめて遺産分割協議書を作成すれば、名義変更を行うことが可能です。しかし、実際には日本の遺産分割協議書……
記事を見る相続税申告における「国籍の判定」について
納税義務者の区分において国籍の判定も重要な要素となります。国籍の決定については、国際法上の原則として、各国の国内管轄事項に属するものとされています。そのため、どの国も自国民としないために、どの国の国籍ももたない無国籍の状態になったり、二つ以上の国が自国民とするために、二つ以上の国籍を同時にもつ重国籍の状態になったりすることがあります。 日本の国籍法は、「父母両血統主義(父又は母のどちらかがそ……
記事を見る相続税申告における「住所地」の判定
住所地の判定は納税義務者の区分において重要な要素になりますが、住所の概念については相続税法に規定が設けられていないので、民法の規定により判断されることになります。民法第22条では、住所とは「各人の生活の本拠をその者の住所とする」と規定されており、 相続税法においてもこれと同じ考え方をとります。 生活の本拠とは人の生活の中心となっている場所であり、その判定には、民法上、主観主義と客観主義があり……
記事を見る老人ホームの入居一時金にかかる相続税と注意点
老人ホームの入居一時金の拠出時・相続開始時のそれぞれに、相続税または贈与税の課税関係が発生することはご存知でしょうか。拠出時・相続開始時に分けてご説明します。 1.老人ホームの入居時の課税関係(贈与税) 入居一時金は通常高額であることから、いずれか一方(たとえば妻)が入居する際には自身で資金を準備できず、配偶者(たとえば夫)が拠出することもあります。 そのような場合に、配偶者拠出の入居一……
記事を見る弔慰金にかかる相続税は給与の6か月分まで非課税
弔慰金は、被相続人が亡くなった場合の慣習的なものですが、雇用主側から一般的な相場以上に金銭を受け取った場合は、決められた額を超えた分が相続の対象となります。相続税の弔慰金の考え方と非課税枠について確認してみましょう。 1.相続税の対象となる弔慰金とは? 弔慰金というのは、基本的に亡くなった被相続人をとむらい、慰めるためのものです。たとえ弔慰という名目で贈られた金銭であっても、相続という面で考え……
記事を見る「無償返還に関する届出書」を分かりやすく解説
個人と法人間、または法人同士で土地の貸し借りがある場合、権利金を支払わないケースもあるでしょう。権利金を支払わない場合、認定課税の可能性があるため、無償返還に関する届出書を提出した方が良いこともあります。無償返還に関する届出書について、内容と記載について確認しましょう。 1.「無償返還に関する届出書」とは? 土地の貸し借りを行う場合、地代以外に借主が貸主に支払う権利金というものがあります。ただ……
記事を見る相続税で使用する複利年金現価率について解説
もし被相続人が誰かに土地を貸しており、その期間があらかじめ決められている場合、相続税の計算には複利年金現価率が必要になります。今回は複利年金現価率とは何か、相続税のどの部分で必要になるのかなどについてご紹介します。 1.複利年金現価率とは? 複利年金現価率とは、将来支払われる年金額の現在価値を知るために必要な係数を、複利によって求めるためのものです。相続税の定期借地権を評価する際などに必要とな……
記事を見る