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チェスター相続税実務研究所

小規模宅地等の特例について~入院後、自宅に戻ることがなく老人ホームに入居した場合~

2014/12/01

被相続人は、北海道に自宅があり、自宅近辺の病院に入院しておりました。退院後、自宅に戻ることなく東京の老人ホームに入居しています。配偶者は、被相続人と同居しており、被相続人とともに老人ホームに入居し、北海道の自宅は空き家になっています。

被相続人は、東京の老人ホームに入居する際に、東京の相続人(生計別親族)の住所地に住民票を移しました。東京の相続人の自宅の土地は被相続人が所有し、建物は相続人が所有しており、使用貸借の関係です。

相続開始日は、H26年1月1日以降で、
①被相続人が相続開始直前において要介護認定を受けていたこと
②被相続人が老人福祉法等に規定する特別養護老人ホームに入所していたこと
の要件を満たす場合、北海道の自宅の土地と、東京の相続人の自宅の土地のどちらで被相続人の居住の用に供されていた宅地として小規模宅地等の特例が適用できるでしょうか。

この場合、被相続人の生前の生活の拠点は、北海道の自宅であったと考えられ、北海道の自宅の土地を被相続人の居住の用に供されていた宅地として、配偶者が相続することにより小規模宅地等の特例を適用することができると考えられます。

東京の相続人の自宅は、被相続人が老人ホームに入居するための一時的な居所であり、形式的に住民票の異動があったに過ぎないと考えられます。そのためには、東京の相続人の自宅の公共料金等が住民票の異動前後で変動がないことを立証することも必要になります。

住民票の形式的な異動ではなく、被相続人の居住の実態がどこにあるかで判断します。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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