チェスター相続税実務研究所
相続開始があったことを知った日と財産の評価時点の違い
見つけやすくなります
2026/05/29
被相続人Aは令和7年に孤独死しました(相続人は弟Bのみ)。
身元判明が遅れたため、戸籍には、死亡日が令和7年9月1日から10日までの間と記載されました。
このような場合、相続税の申告期限や注意すべき点があれば教えてください。
申告期限は「死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」、財産評価の基準日は戸籍上の「9月10日(期間の最終日)」です。
相続税の申告期限は、相続人Bが、被相続人Aの相続の開始があったことを知った日(警察から連絡を受けた令和7年9月15日)の翌日から十月以内(相法27①)となりますので、令和8年7月15日となります。
なお、財産の評価時点(財産を評価する基準日)は、あくまでも戸籍上の死亡日となるため、期間の最終日である令和7年9月10日となりますので、ご注意が必要です。
基本事項
- 被相続人A(孤独死)
- 相続人B(Aの弟)
- 戸籍上の死亡日「令和7年9月1日から10日までの間」
- 相続人Bは、令和7年9月15日に警察から被相続人Aが死亡した旨の連絡を受け、被相続人Aが死亡したことを知った
〔イメージ〕

解説
1.相続税の申告期限
相続税の申告期限は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から十月以内である旨規定されています(相法27①)。
本件のように、相続人Bが、被相続人Aが孤独死した事実を、警察からの連絡により知った場合には、警察からの連絡を受けて被相続人Aの死亡の事実を知った日が、相続の開始があったことを知った日(申告期限の基準となる日)となり、その日の翌日から十月を経過する日が相続税の申告期限となります。
※警察から連絡を受けた日を必ず記録しておくことが大切です。
したがって、相続人Bの相続税の申告期限は、被相続人Aの相続の開始があったことを知った日の翌日から十月以内(相法27①)である令和8年7月15日となります。
2.被相続人の死亡日
相続税法上、相続により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨規定されています(相法22)。
民法882条は「相続は、死亡によって開始する。」と規定されているため、相続税法上の財産の取得の時とは、あくまでも客観的な事実としての死亡の時、すなわち、戸籍上の死亡日となります。
また、戸籍上の死亡日に幅がある場合は、民事法上、期間の最終日を死亡日とするとの取扱いがなされているようです。
したがって、被相続人Aの相続財産を評価する時点(財産を評価する基準日)は、期間の最終日である令和7年9月10日となります。
※金融機関で残高証明書等を取得する場合や、有価証券を評価する場合には、特に注意が必要です。
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