チェスター相続税実務研究所
相続税の調査を受けて脱税で告発される場合
見つけやすくなります
2026/06/26
報道などで、「国税局の相続税の調査を受け、自宅から現金約●億円が見つかり、相続税約●億円を脱税したとして、相続人が、相続税法違反の疑いで地検に告発されました」といった記事を時々見かけます。
現金(被相続人の相続財産に該当)が自宅から見つかった場合、脱税で告発されることになるのでしょうか。
一般論でいえば、相続税の調査を受け、自宅から現金(被相続人の相続財産に該当)が見つかったからといって、現金が見つかったという事実のみで「脱税⇒告発」とはなりません(ただし、重加算税が賦課される可能性はあります。)。
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解説
1.節税、租税回避、脱税の違い
節税、租税回避、脱税の違いは次のとおりです。
ただし、節税と租税回避の境界は必ずしも明確でなく、結局は社会通念によって決めざるをえないと説明されています(金子宏先生「租税法〔第24版〕」135頁)。
(1)節税とは
節税とは、租税法規が予定しているところに従って税負担の減少を図る行為を指します。
(2)租税回避とは
租税回避とは、課税要件(※)の充足そのものを回避し、または減免規程の適用要件を充足させる行為を指します。
(3)脱税とは
脱税とは、課税要件の充足の事実を全部または一部を秘匿する行為を指します。
(※)課税要件とは、それが充足されることによって納税義務が成立するための要件をいうとされています(金子宏先生「租税法〔第24版〕」80頁)。
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2.相続税の調査を受けて自宅から現金が見つかった場合
一般論でいえば、相続税の調査を受け、自宅から現金(被相続人の相続財産に該当)が見つかったとしても、現金が見つかったという事実のみで「脱税⇒告発」とはなりません(ただし、重加算税が賦課される可能性はあります。)。
ただし、例えば、被相続人が、生前、相続人の協力を得て、事業からの収入を秘匿(脱税)するとともに、秘匿して得た現金を自宅に隠し、相続人が、現金の蓄積経緯や被相続人に帰属する現金であることを承知の上で、相続税を脱税するため、その事実を税理士にも隠したまま、現金を相続税の申告に計上しなかった事実が、相続税の調査で判明した場合には、上図の脱税の要件を満たすように思えます(少なくとも、重加算税は間違いなく賦課されます。)。
まとめ
相続税の調査では、例えば、被相続人の生前に被相続人の預金口座から多額の現金出金があれば、自宅等に現金が保管されている可能性があるとみて、徹底的に調査が行われます。
「お金には色がつかない」とよく言われますが、無から有が生じる訳はないので、お金が動けば、何らかの足跡がついてしまいます。
親御さんが良かれと思ってやってくれたことかもしれませんが、結果、「脱税⇒告発」となってしまっては、これまで築き上げたことが無になってしまいます。
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