チェスター相続税実務研究所
新型コロナワクチンの健康被害救済制度により遺族が受領した死亡一時金の課税関係
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2026/08/06
被相続人Aは新型コロナワクチンの予防接種後に亡くなりました。
遺族(相続人B)は、被相続人Aが新型コロナワクチンの予防接種が原因で亡くなったと認められたため、予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度に基づき死亡一時金4,800万円を受領しました。
この一時金は相続税の課税対象になりますか?
本件死亡一時金は、受給権者である遺族に直接支払われる固有の権利となるため、相続税の課税対象には該当しないと考えます(所得税も非課税と考えます)。
基本事項
- 被相続人:A
- 相続人:B(遺族)
- 相続開始日:令和7年12月
〔予防接種健康被害救済制度イメージ〕
引用:厚生労働省「予防接種健康被害救済制度について」
解説
1.予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度
予防接種法に基づく予防接種は、社会防衛上行われる重要な予防的措置で、極めて稀ではあるが不可避的に健康被害が起こりうるという特性があるにも関わらずあえて実施しなければならないということに鑑み、健康被害を受けた者に対して特別な配慮をするために設けられた制度とされています。
予防接種健康被害救済制度による給付を受けるためには、疾病・障害認定審査会の審査を経る必要があります。
認定に当たっては「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とする」という方針で審査が行われるとされています。
参考:厚生労働省「新型コロナウイルスに係る健康被害救済について」
2.相続税の課税関係
予防接種等を受けた者が、死亡した場合において、当該死亡が予防接種等を受けたことによるものであると認定されたときに行われる給付は、死亡した者の遺族に対して行う旨規定されています(予防接種法16条①四)。
したがって、この死亡一時金は、死亡した者の遺族に対し直接支払われるものであり、被相続人Aの相続財産には該当しないものと考えられますので、本件死亡一時金は相続税の課税対象とはなりません。
3.所得税の課税関係
予防接種法は、給付として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を、課することができない旨規定されています(予防接種法21条)。
したがって、死亡した者の遺族に支払われる死亡一時金には、租税その他の公課が課されませんので、本件死亡一時金は所得税の課税対象ともなりません。
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