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チェスター相続税実務研究所

相続放棄により新たに相続人となった者の未分割遺産と申告

2015/02/23

被相続人Sが遺言を残し死亡しました(H26.9.1)。
法定相続人は長男甲のみです。
遺言によりSの弟乙が遺産の3分の2を、長男甲が遺産の3分の1を取得する予定でしたが、長男甲が相続を放棄しました(H26.10.31)。
これにより、相続人が弟乙、兄丙、妹丁の3人となりました。
長男甲の取得予定だった財産につき、乙、丙、丁間で遺産分割協議は整っておりません。

このような状況の中で、申告期限H27.7.1を迎えた場合の申告手順は、どのようになるでしょうか。

この場合の遺産分割は、以下の通りになります。

(1) 弟乙の申告手順

甲の相続放棄の前から遺言により取得する遺産があったため、遺産の3分の2を遺言により取得したものとし、遺産の3分の1は未分割として申告する。したがって、乙の当初申告の割合は、1/3(長男の割合)×1/3(法定相続分)+2/3(乙の包括遺贈の割合)の合計7/9となります。

(2) 兄丙・妹丁の申告手順

自分が相続人になったのを知ったのは早くてもH26.10.31であり、H27.7.1には申告期限を迎えないので、H27.7.1時点では申告しない。

(3) 遺産の3分の1についての申告手順

遺産の3分の1につき、乙、丙、丁間で遺産分割協議が整ったところで、乙については修正申告又は更正の請求をし、丙、丁については期限内申告をする。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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