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チェスター相続税実務研究所

未確定の代償金額と贈与税課税

2015/05/25

今回は代襲相続人を含め相続人が全部で15人という相続の事例です。

相談は下記のような内容でした。

相続財産のうちに不動産の占める割合が大きく現物での遺産分割が難しい状況です。
そのため、相続人代表者が不動産を取得し他の相続人に代償金として金銭を支払う、いわゆる代償分割により分割をすることになりました。
また、当該不動産は売却する予定ですが、売却金額が決まっておらず、遺産分割協議書には『代償金額については不動産の売却後に決定する』と記載しようと思っています。
この場合には贈与税が課税されることにならないでしょうか。

このご相談は、一旦不動産の分割をし、その後代償金の金額を決定することが遺産分割の再分割に該当するのではないか、その場合には贈与税の対象になってしまうのではないかというご相談です。

今回のご相談ですが、結論としては贈与税が課されることはないと考えます。
理由としては当該遺産分割協議書では遺産分割が確定していないと思われるためです。
確かに遺産分割協議書は作成されますが、この遺産分割協議書では各人の具体的な取得金額が決まるわけではありません。
実際に代償金の金額が確定した時点を遺産分割協議の確定と取扱うことが相当です。

遺産分割の定義を規定したものはありませんが、遺留分減殺請求が行われた場合でも、それだけでは遺留分減殺請求による更正の請求の事由にはあたらず、その後金額が確定した時点で更正の請求の事由になることから、金額の確定を必要要件とすることが妥当です。

仮に遺産分割協議書作成後、代償金確定前に相続税の申告期限が到来した場合には、相続人代表者が財産を取得したものとして相続税申告を行うのではなく、未分割として相続税申告を行う必要があると思われます。

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