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チェスター相続税実務研究所

休眠会社のつもりが、休眠会社に該当しなかったケース

2016/03/23

被相続人Aは同族会社で非上場のB社株式を所有していました。
B社は建設業で、5年前まで営業していましたが、5年前に休業し、従業員の方も全員退職しているとのことでした。

B社は自社が保有する土地にB社名義の建物があり、そこで事務所を営業していたので、休業後も固定資産税だけは納付していました。
法人税の申告はせずに休眠会社の状態のままで放置されていました。

相続税の計算上、B社の評価をするにあたり、休業中の会社として、純資産価格で評価すれば良いかと思ったところ、実はそうではありませんでした。

B社が保有する建物の事務所だった部分2階にアパートが2室あり、休業前から引き続き賃借人がいたのです。

家賃は法人名義の口座に振り込まれていましたが、相続人はB社の通帳ことは把握しておらず、家賃が振り込まれていることに気づいていませんでした。

そのため、B社は休業中の建設業ではなく、営業中の不動産貸付業ということになります。

休業中の会社に該当しないため類似業種比準方式と純資産価額併用方式を使うことにより、
純資産価格で評価するよりB社の相続税評価額は下がりました。

ただし、この場合注意しなければならない点は、直前期及び直前々期の利益積立金額は、休業前の最後に決算した時の利益積立金額ではなく、休業中のつもりで法人税の申告をしていなかった期間の利益積立金額であるという点です。
本来は不動産貸付業として法人税の申告をする必要がありましたので、最後に法人税の申告をした5年前から法人の決算をして、直前期及び直前々期の利益積立金額を計算します。
又、申告していなかった時期の法人税の申告についても、期限後申告をして、納付していなかった期間の法人税等の納税もすることになります。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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