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チェスター相続税実務研究所

借地権と賃借権(建物所有を駐車場目的に変更)

2014/07/14

【事実関係等】

従来、旧借地権で借地契約を締結し、当該借地を貸家の敷地に供していました。

その後、地主との契約を変更(当初の借地契約の目的を普通建物所有から事業向け用途の駐車場に変更)して、現在は借地人がアスファルト敷きの駐車場の敷地に供しています。

ここで、相続税法上の借地権は借地借家法の借地権と同義であり、借地借家法の借地権とは「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」(借地借家法第2条1項)とされていますが、このような条件の下、次の①及び②はどのように取り扱われるのでしょうか?

①現在においては相続税法上の借地権(借地借家法の借地権)は消滅しているかどうか?

②相続税法上の借地権が消滅している場合でも、借地人が費用負担して駐車場のアスファルトを敷いているため、賃借権は存在するかどうか?

【取扱い】

①従来の建物の所有を目的とする賃借権(以下、『借地権』)に係る建物の取り壊しをした上で当該借地権を消滅(当該借地権契約の更改又は解除による消滅)させた後、新たに建物の所有を目的としない土地の賃貸借契約を締結して当該土地を駐車場として使用するという契約である場合において、当該借地権の消滅が無償で行われたときは、その消滅の時に当該借地権の価額(時価)相当額が当該借地人から当該土地の賃貸人に対して贈与があったものとして贈与税課税が行われます(相続税法第9条)。従いまして、現在においては借地権は消滅していることとなります。

②借地権消滅後の借地人の権利の価額は、土地の賃借権としての評価額となります。

なお、従前の借地権が消滅しているか否かは、その借地に係る賃貸借契約の内容及び当該土地の具体的な使用収益の実態等から個別に事実認定を行う必要があります。

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