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令和元年分の全国の路線価が公表!

2019/08/21

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1 はじめに

令和元年分の路線価図及び評価倍率表(財産評価基準)が、令和元年7月1日、国税庁ホームページで公表されました(国税庁HP)。
路線価図及び評価倍率表には、路線価や評価倍率が記載されています。

この令和元年分の路線価図及び評価倍率表は、平成31年1月1日から令和元年12月31日までの間に、相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用することとなります。
ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによります。

まず、路線価や評価倍率について、以下で簡単に説明いたします。

2 路線価方式と倍率方式

財産評価基本通達における宅地評価の方法として、「路線価方式」「倍率方式」の2つの評価方式があります。

(1)路線価方式

路線価方式とは、路線価が定められている地域の土地の相続税評価方法です。
路線価とは、道路(=路線)ごとに国税局長が決定した土地の「単価」のことで、その道路に面している標準的な宅地の1平方メートル当たりの千円単位の価額です。

(2)倍率方式

倍率方式では、固定資産税評価額に地価事情の類似する地域ごとに定めた評価倍率を乗じて評価額を算出します。

(3)まとめ

これら「路線価方式」「倍率方式」は自由に選択することができず、路線価が定められている地域にある土地については路線価方式により評価し、その他の地域にある土地については倍率方式により評価します。

また、路線価及び評価倍率の評価時点は、毎年1月1日です。路線価は、公示価格、売買実例価額、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として算定した価格の約80%相当により評価されています。

では、次に、令和元年分の全国の平均路線価が、前年分と比べてどのように変動したのかを簡単に説明します。

3 令和元年分の全国の平均路線価 ~4年連続で上昇~

令和元年分の全国の平均路線価は、4年連続で上昇を続けています。
前年の上昇率が0.7%であったところ、令和元年の上昇率は1.3%となっており、平均路線価が上昇を続けているだけでなく、上昇率も前年よりも拡大しています。

このような路線価の上昇は、公示価格上昇の影響と言えるでしょう。
というのも、まず、住宅地に関しては、住環境や交通利便性が優れている地域を中心に公示価格が上昇しているのが一因と言えます。他方、商業地については、昨今、外国人観光客が増加していることから、ホテルや飲食店などの需要が高まっており、また、インフラ整備などによる利便性向上などによって公示価格が上昇したのも原因と言えるでしょう。

では、このような平均路線価を都道府県別に比べてみると、簡単には以下のようになります。

4 令和元年分の平均路線価の状況 ~都道府県別に比較すると~

上記のように、平均路線価が上昇した県は前年より増加しており、他方で、下落した県は減少しています。具体的には、石川県や大分県は下落から上昇に転じており、滋賀県は上昇から下落に転じています。

都道府県全体の傾向として言えることは、平均路線価が前年よりも上昇している都道府県は、上昇率が前年よりも拡大しています。他方、下落した都道府県については、下落率が前年よりも縮小しています。具体的には、上昇率が最も高かった県は沖縄県の8.3%です。沖縄県は前年が5.0%でしたので、上昇率が拡大しています。沖縄県は観光客が増加していることの他、県内の景気も好調であるため、このような結果となったと考えられます。
沖縄県に続いて上昇率が高いのは、東京都の4.9%です。東京都は前年が4.0%でしたので、上昇率が拡大しています。

5 都道府県庁所在地都市の最高路線価  ~33都市で上昇~

都道府県県庁所在地都市のうち、最高路線価が上昇した年は33都市。
これは、前年と同じ数になります。
具体的には、秋田県、新潟県、高知県が横ばいから上昇に転じましたが、他方で、山形県、岐阜県、徳島県が上昇から横ばいとなりました。

上記のように、最高路線価が上昇したのは33都市ですが、そのうち14都市については、前年比10%以上の高い上昇率となっています。
このような高い上昇率を示した都市は、前年11都市であったところ、今年は3都市が新たに加わりました。具体的には、福島県、奈良県、大阪府の3都市です。
最も高い上昇率を示したのは、沖縄県の那覇市です。那覇市は、前年比39.2%と高い上昇率を示しています。
他方、上昇率がマイナスとなったのは、鳥取県の1県のみです(前年比▲4.5%)。鳥取県については、郊外においては上昇傾向ですが、鳥取駅付近での下落傾向が続いています。

なお、全国一路線価が高い場所は、34年連続「東京都中央区銀座5丁目銀座中央通り」(鳩居堂前を含む4地点)で、路線価は4,560万円/㎡(前年比2.9%増)となっており、路線価の過去最高額を3年連続で更新しています。

※本記事は記事投稿時点(2019年8月21日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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