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相続税対策を始める前に必ずやっておきたいこと簡単なこと
2015/01/28
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■相続税関連のニュースが急増の背景
相続税の増税が発表されてから、書店やテレビでも「相続税増税」のニュースをよく目にするようになり、それに伴い「相続税対策」をベースにした企業広告も目立つようになった。不動産や生命保険、金融商品を取り扱う企業側からすれば、相続税が課税される人たちというのは、一定額以上の資産を所有している潜在的な優良顧客であり、相続税の節税という明確な理由があるため、広告や提案を行いやすいという側面がある。
一方で冷静に考えなければならないこともある。それは、「これまで相続税とは無縁だったけれども、税制改正により相続税の対象となる人たち」の相続税対策についての対応である。例えば、財産総額5000万円、相続人は子2人の家庭を想定すると、相続税の税制改正前は、相続税は基礎控除以下でゼロ円であったが、改正後は相続税が合計で80万円発生する計算となる。
ただ5000万円の財産総額に対して80万円という相続税額を聞いて、どのように感じるだろうか。もちろんこれまでゼロ円だった税金が80万円もかかるとなると、負担感があるが、「80万円くらいなら」と感じる人も大勢いるのではないだろうか。
そうすると、「これまで相続税とは無縁だったけれども、税制改正により相続税の対象となる人たち」は、無理をして相続税対策をする必要がないとも考えられる。相続税は財産額が増加するにつれて、税率が増えていく累進課税となっており、「相続税で半分とられる」というのは、よほどの資産家に限定された話をなることを覚えておきたい。相続税が増税されるからといって、焦って対策に飛びつくのはダメなのである。
反対に、「税制改正前も相続税が発生していた人たち」である。例えば、財産総額3億円、相続人は子2人の家庭の場合、相続税の改正前は5,800万円の相続税だが、改正後は6,920万円もの相続税がかかることになる。改正による増税額が1,000万円以上と非常に大きいため、ここまでくるとなんらかの相続税の節税対策を講じることが必要となってくる。ありのままで相続を迎えると大変なことが起きることを忘れてはならない。
■相続税対策を始める前に必ずやっておきたいこと
相続税の節税と聞くと、飛びつきたいのが人の心情だが、専門家の立場からは、なにはともあれ「現状分析」からスタートすることを強く勧めたい。まずは、今、もし相続が発生したら、相続税がいくらかかるのかをしっかり認識することが重要である。スタート地点をしっかり確認しないままに、対策を行い、後で気づいてみたら、そこまで無理をして相続税対策をしなくてもよかったのにということでは、本末転倒である。
相続税の試算を行い、現状の財産内容と相続税額が分かれば、納税資金の有無や、今後の対策の必要性の有無等に自然と気付くことになるはずだ。このままでは納税資金が足りず相続税が支払えないことが予測される場合や、想像していたよりも相続税の負担が重くなるような場合には、次の相続税の節税対策へと進んでいくとよいだろう。
また相続税の節税対策といっても、不動産の購入や生命保険の加入、生前贈与に養子縁組等、多岐にわたる。各対策ごとに投下する資金も違うため、現状分析の結果から、資産内容に即した対策を計画し、実行していくことが、相続税の節税の基本である。
相続税の増税に伴い、これまで以上に相続時の税負担が重くなっていくことは確かだ。自分の財産をいかに守り、次の世代に引き継いでいくのかという問題に対して、真剣に取り組む機会がきている。
※本記事は記事投稿時点(2015年1月28日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
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