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相続税を滞納し、延滞税で雪だるま式に膨張?
相続税が延滞税で膨張し、相続税が支払えなくなったという東京都内の酒店の相続税滞納がニュースになっていました。
相続税は一括納税できないと延納できる
相続税は、相続開始から10ヵ月以内に一括納付が原則ですが、資産に不動産や非上場株式が多い場合等は、20年間の分割払い(延納)が認められています。
延納の利率は?
延納を選択すると、その年ごとの基準年利率に応じて、最大で6%(ここ数年は2%程度)の利子税がかかります。相続税が数千万円単位になってきますと、利子税の負担も大きくなりますから、できれば避けたいものです。
相続税の支払いを滞納すると?
20年分割払いの延納で支払う相続税を2ヵ月以上滞納すると、別途ペナルティの「延滞税」の利率が格段に高くなります。原則14.6%という率になります。
※平成26年1月1日以後の期間は、年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合となります。
・平成27年1月1日から平成27年12月31日までの期間は、年9.1%
・平成26年1月1日から平成26年12月31日までの期間は、年9.2%
このように、いったん相続税の支払いが滞納してしまうと、延滞税の額が大きくなり、さらに相続税の納税が難しくなってしまうのです。
最悪のケースでは差し押さえも!?
相続税の滞納が続くと、国税庁に財産を差し押さえられてしまいます。滞納者であっても、支払う意思があれば無理な徴収はしないということですが、生活に必要な最低限の財産以外は競売や差し押さえされることになってしまう可能性が高いのです。
相続税を滞納しないためには?
ニュースで流れた、東京都内酒店の相続税の滞納問題ですが、様々な諸事情が積み重なり、滞納へと追い込まれたようです。通常、相続税という税金は、「プラスの財産」に対して課税されるものであるため、相続した財産を売却したり、国に物納すれば、支払えなくなるということは考えられません。
しかし本ケースでは、
・バブル期の不動産時価ピーク時に相続が発生
・事業をしていたため、物納は選択せずに、事業継続を相続人が選ぶ
・しかしバブル崩壊で事業継続が困難になる
という流れで、たとえバブルが崩壊しても、相続税の対象となる不動産の時価判定基準はあくまで相続時であるため、相続税は減額されません。本当であれば、当時、物納の選択もありましたが、事業を継続したいという相続人の意思も理解できます。こればかりは、本当に不運としか言いようがありません。
このようなケースは稀ですが、相続税を滞納しないためには、やはり生前からしっかりと相続税の試算・納税資金対策等の準備を行い、将来の相続税の納税方法をしっかり考えておくことが重要です。
※本記事は記事投稿時点(2015年9月29日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
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