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遺産分割がまとまらない時、揉めた時はどうすればいいのか?

2008/09/14

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遺産分割について、相続人間で協議ができないとき、あるいは協議してもまとまらないときは、家庭裁判所の「調停」か「審判」によって分割することになります。

相続人間で協議がまとまらない時は、通常弁護士に相談することになります。

以下遺産分割がまとまらない場合のその後の手続きについてご説明します。

1.調停・審判の申立て方法

調停の申立ては、相続人の一人から、他の相続人全員を相手方として、他の相続人の住所地又は相続開始地を管轄する家庭裁判所にします。

一方、審判の申立てならば被相続人の住所地の家庭裁判所にすることになりますが、いきなり審判を申立てても、家庭裁判所はなるべく円満な話合いによる解決を図るため、先に調停にまわすのが通常です。

調停の申立ては、家庭裁判所に備えてある用紙に必要事項を書き込めばよいだけですが、これを提出する際には、遺産目録、被相続人の除籍謄本、相続人の戸籍謄本などの資料を添付する必要があります。

2.調停の進め方

調停は当事者間の話合いを助長して解決を図ろうとする制度です。

調停手続では,当事者双方から事情を聴いたり,必要に応じて資料等を提出してもらったり,遺産について鑑定を行うなどして事情をよく把握したうえで,各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をし,合意を目指し話合いが進められます。

通常、家事審判官1名と調停委員2名で構成される調停委員会が調停の期日を定めて、協議の成立をめざし努力します。調停では、当事者間の話合いは調停委員を媒介にして行われます。相続人は調停が行われる部屋と控室を交互に往復し、自分の主張を調停委員に訴えます。

最終的に相続人間の協議がまとまると、審判官及び調停委員の立会いの上、調停調書が作成されます。調停調書には確定判決と同じ効力があり、これに基づいて強制執行をすることも可能となります。

3.調停のメリット

調停は手続きが簡単で、通常は費用も安く、しかも迅速な解決が図れるという点に特徴があります。

まずは話し合いで解決したい、という方にとっては、利用するメリットのある制度です。また、審判による場合には、法定相続分、あるいは遺言による指定に従った機械的な分割がなされますが、調停であれば法定相続分に一致しなくとも、当事者間の話合いで現実味のある妥当な分割を行うことが可能です。

4.審判

調停で話合いがまとまらないときは不調となり、調停は終了しますが、調停申立て時に審判の申立てがなされたものとみなされ自動的に審判手続きに移行します。審判では審判官が職権で事実を調査し、相続人や遺産の範囲を確定し、遺産を評価したうえ、法定相続分又は遺言に従って各相続人の相続する財産を決定します。

ただ、裁判官が職権によって調査するといっても、財産についての重要な判断を下す手続きですから、当事者から事情を聞いたり、資料の提出を求めるなど訴訟に近い慎重な審理がなされ、民間の有識者が立ち会うこともあります。審判では調停のときのように、相続人同士の話し合いが行われることはなく、家庭裁判所が公平に判断して、審判を下すことになります。

このとき、必要に応じて相続人や遺産の内容についての、事実関係を調べたり相続人の主張の正当性を、確かめることも行なわれます。

下された家庭裁判所の審判には、強制力があり合意できない場合も、これに従わなければなりません。

裁判所が行った審判に不服があるときは、審判書を受領してから2週間以内に高等裁判所に不服申立てすることができます。不服申立てが無く確定すれば、調停調書が作成された場合と同様、これに基づく強制執行が可能となります。

※本記事は記事投稿時点(2008年9月14日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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