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特別障害者に対する贈与税の非課税

2012/12/10

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1.特別障害者に対する贈与税の非課税

特別障害者の生活の安定を図るため、その親族等(個人に限る)が信託銀行等に財産(金銭・有価証券・一定の不動産等)を信託するものを特定贈与信託といいます。この信託契約を締結することで、贈与税の心配をすることなく、障害がある子供に資産を残しかつ、生前に贈与をして信託を組んでおくことで、自分が亡くなった後にも、その子に一定の収入が入るようにすることができます。

信託銀行等は信託された財産を管理・運用し、特別障害者の生活費や医療費等にあてるため、信託財産の一部から定期的に金銭により支払います。

この特別障害者扶養信託契約に基づき受けた信託受益権については、一定の要件の下、6000万円まで贈与税が非課税とすることができます。

2.特別障害者とは

特別障害者とは、次に掲げる者をいいます。

  • ・精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者又は児童相談所等の精神保健指定医の判定により重度の知的障害者とされた者
  • ・精神障害者保健福祉手帳に障害等級が1級である者として記載されている者
  • ・身体障害者手帳に身体上の障害の程度が1級又は2級である者として記載されている者
  • ・その他

3.制度の目的及びメリット

この制度の目的は、重度の障害者の生活の安定を図ることです。

その障害者の親族等が、金銭等の財産を、特定贈与信託業務を取り扱っている信託銀行等に信託した場合には、6,000万円を限度に贈与税を非課税になります。

これを適用することにより、贈与税・相続税が抑えられることの他、信託された財産は信託銀行等に所有権が移転しますので、財産の浪費、他人による流用・悪用等、重度な障害者が自分で所有権を持った場合に懸念される事項を防止できます。

また、現金や預貯金は盗難の心配がありますが、信託財産は信託銀行に管理してもらえるので、安心です。

4.特別障害者扶養信託の要件

委託者(贈与者)は、重度心身障害者の親族や篤志家などの個人に限られます。

受益者(受贈者)は、この委託者以外の特別障害者であることが必要です。受託者(信託銀行等)は定期的に実際の生活費や入院加療費等に充てるため、信託財産の一部を金銭で受益者に支払います。

非課税となる信託契約の要件は以下の通りです。

  • ・受益者である特別障害者の死亡後6か月を経過する日に終了する信託契約であること。
  • ・取消し・解除は不可能、かつ、その信託の期間・受益者についても変更も不可能である旨の定めがあること。
    ※例外として、特別障害者の死後、相続等により信託受益権を取得した者又は受託者が行う解除は認められています。
  • ・特別障害者への信託財産からの金銭等の支払いは、その特別障害者の生活又は療養の需要に応じる必要があるため、定期的であること、かつ、実際の必要に応じて適切に行われるものであること。
  • ・信託財産の運用は、安定した収益の確保を目的として、適正に行われること。
  • ・信託受益権が譲渡に係る契約の締結、又はこれを担保に供することができない旨が定められていること ※例外として、遺贈は認められます。

5.手続き

この規定の非課税の適用を受けようとする特別障害者は、一定の書類を添付の上、障害者非課税信託申告書を、受託者の営業所等を経由し、財産の信託がされる日までに、納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

※本記事は記事投稿時点(2012年12月10日)の法令・情報に基づき作成されたものです。
現在の状況とは異なる可能性があることを予めご了承ください。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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