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小規模宅地等の特例と代償金の有効な活用例について

2022/04/15

(母の遺産)
宅地 相続税評価額 1億円(時価1.4億円)
建物 500万円
預貯金 5000万円

上記母の遺産については、子供である相続人2名(長女、長男)で分割協議をする必要があります。

建物を除き平等な財産価値額で、なるべく節税できる分割内容が望ましいため、税理士から節税面からのアドバイスをもらうことにしました。

(税理士からのヒアリング)
1、生前の母の居住状況等について
相続人の回答)母は長女と同居していた。長男は別世帯、かつ、持家あり。
2、売却予定か居住を継続するのか
相続人の回答)再来年に売却する予定である。

(税理士からの節税面についてのアドバイス)
1、母と同居していた相続人が居住の用に供していた建物の敷地を取得した場合には、小規模宅地等の特例が適用でき、その敷地の評価額の80%を評価額から差し引くことができる。
2、自宅を将来売却する場合は、いわゆるマイホーム特例といった譲渡所得から3,000万円が控除できる特例の適用ができる可能性があります。

 上記1、2の節税については、代償分割という方法を選択された場合に、最大限有効になりますので、一度代償分割についてご検討ください。

税理士からのアドバイスを受け、代償分割という方法を選択し、円満に分割協議を進めることができました。
姉である私が、居住の用に供していた建物とその敷地を取得し、弟にその宅地の代償金として、宅地の時価の半分に相当する金額である7000万円を交付することになりました。また、預貯金は1/2ずつ分けることにしました。

分割も円満に決まったため、私と弟で相続税がいくらかかるのか、早速計算してみました。

1、長女の課税価格
居住用宅地については、母と同居していた私が取得する場合には、「小規模宅地等についての課税価格の計算の特例」の要件を満たしているため、評価額の80%を評価減することが可能です。

 宅地評価額―小規模宅地等の特例適用による減額+建物の評価額+預貯金の評価額―交付をした代償財産の価額
=(1億円―8000万円)+500万円+2500万円―7000万円
=△2000万円

2、弟の課税価格
 預貯金の評価額+交付を受けた代償財産の価額
=2500万円+7000万円
=9500万円

3、課税価格の合計額
  ⑴私の課税価格       0円(△2000万円→マイナスは切捨)
  ⑵弟の課税価格   9500万円
  ⑶課税価格の合計額 9500万円
  ⑷相続税額      695万円
             弟が相続税額全額を支払う義務が生じます。

この計算だと、私の課税価格のマイナス2000万円分が切り捨てられてもったいない、なにかできるだけ相続税額を安くする方法はないかしらと、また税理士に相談することにしました。
税理士は、「なるほど。よくここまで計算できましたね。代償金には調整計算というものがあるんですよ。分割協議書代償債務の額が、代償分割の対象となった財産が特定され、かつ、当該財産の代償分割の時における通常の取引価額を基として決定されているときは、調整計算することができます。お客様の分割内容においては、代償金の分割の対象となった財産は御自宅の敷地と特定され、その宅地の時価の1/2相当額を代償金として計算されているので、分割協議書の文言等をご注意いただければ、調整計算が可能です。それでは、私がいまから計算してお見せします。」と分かりやすく説明してくれました。

相続税法基本通達11の2-10 (代償財産の価額)⑵より抜粋
代償債務の額が、代償分割の対象となった財産が特定され、かつ、当該財産の代償分割の時における通常の取引価額を基として決定されているとき
次の算式により計算した金額
A×C/B
(注) 算式中の符号は、次のとおりである。
Aは、代償債務の額
Bは、代償債務の額の決定の基となった代償分割の対象となった財産の代償分割の時における価額
Cは、代償分割の対象となった財産の相続開始の時における価額(評価基本通達の定めにより評価した価額をいう。)

(代償金の調整計算をした場合の相続税額)
1、長女の課税価格
 宅地評価額―小規模宅地等の特例適用による減額+建物の評価額+預貯金の評価額―交付をした代償財産の価額
 =(1億円―8000万円)+500万円+2500万円―※5000万円
 =0円

 ※調整計算後の代償金の額
  7000万円×1億円/1.4億円=5000万円

2、弟の課税価格
 預貯金の評価額+交付を受けた代償財産の価額
=2500万円+5000万円※
=7500万円

3、課税価格の合計額
  ⑴私の課税価格       0円
  ⑵弟の課税価格   7500万円
  ⑶課税価格の合計額 7500万円
  ⑷相続税額      395万円
             弟が相続税額全額を支払う義務が生じます。

このように調整計算した場合の相続税額は、調整計算しない場合の相続税額よりも300万円小さくなり、相続人も大変安心しました。

695万円―395万円=300万円

 なお、相続により取得した財産を相続税の申告期限の翌日から3年以内に譲渡した場合には、支払った相続税額のうち、一部の金額を譲渡所得の取得費に加算することができますが(租税特別措置法39条)、代償分割による代償金を支払っている場合には加算額が減額されるので注意が必要です(租税特別措置法基本通達39-7)。

 このように、分割内容や遺産分割の方法により、税負担に大きな差異が生じることがありますので、分割にあたっては、事前に専門家のアドバイスを受けることをお勧めいたします。
 今回のケースのように所得税の節税も考慮して、十分に検討することが必要です。

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