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住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税に係る贈与税の特別控除の特例を受けた者の相続税の課税価格について

2023/01/11

平成18年に父から住宅取得等の資金の贈与を受け、相続時精算課税に係る贈与税の特別控除の特例の適用を受けました。4,000万円の住宅取得等資金の贈与を受けましたので、100万円※の贈与税を当時に支払っています。

※(4,000万円―(2,500万円+1,000万円))×20%=100万円

そして、令和4年に父が他界しました。当該贈与のうち、相続税の課税価格に持ち戻す金額を教えてください。

A 相続税の申告上、住宅資金特別控除額1,000万円を含めた4,000万円を相続税の課税価格に持ち戻します。

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税に係る贈与税の特別控除の特例(旧措置法70条の3の2)の適用を受けた住宅資金特別控除額については、特定贈与者の相続に係る相続時精算課税適用者の相続税の課税価格に加算することになります。

解説

平成21年度税制改正により創設された措置法70条の2に規定する贈与税の非課税の規定の適用を受けて取得した住宅取得等資金については、非課税限度額までの金額について贈与者の死亡に係る相続税の計算上、その課税価格に加算する必要はありません(措法70条の2の3)。
ただし、現状ではすでに廃止となっている旧措法70条の3の2の住宅資金特別控除の特例を受けた贈与がある場合には持ち戻しが必要になりますので、注意が必要です。

この特例制度は、相続税本法の相続時精算課税制度導入に合わせ、時限措置(平成15年1月1日から平成17年12月31までにした住宅取得資金等の贈与)として租税特別措置法に置かれた制度です。

本法では、贈与者が65歳以上の親であるとの要件が課されているのに対し、この特例では、65歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税制度を選択できる(特例①とする)こととなっています。( 旧措法70の3 )。また、本法では2,500万円とされている贈与時の特別控除額も、この制度の適用を受けた場合には、さらに住宅資金特別控除を最大で1,000万円の上乗せができる(特例②とする)ことになっています。( 旧措法70の3の2 )

平成22年度の税制改正により、上記特例①については、措法70条の3として延長されましたが、上記特例②は、平成21年12月31日の適用期限をもって廃止されています。

なお、旧措置法70条の3の2に規定されていた1,000万円の特別控除の特例は、相続時精算課税制度における特別控除額を通常の2,500万円に1,000万円を上乗せする特例であることから、この特例の適用を受けて取得した住宅取得等資金については、贈与者(特定贈与者)の死亡による相続税の計算において、受贈者(相続時精算課税適用者)の相続税の課税価格に加算することになります(相続税法21条の15、同法21条の16)。

過去に税務署に提出された相続時精算課税の計算明細書において、「措置法第70条の3の2第1項の規定による住宅資金特別控除の特例の適用を受けます」に☑が入っていれば、持戻しが必要となります。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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