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チェスター相続税実務研究所

過去からの経緯が不明な貸宅地の評価

2015/06/01

被相続人所有の土地に、昔第三者Aが自宅を建築しました。Aの死亡後はAの妻Bが当該建物を相続により取得しています。

妻Bはその後昭和60年に建物を建て替え、現在は妻B名義の建物が建っています。土地の賃貸借契約書もなく、借地権取り決め等の有無が不明です。

地代も固定資産税を上回る程度しかもらっていません。

この場合、当該土地は底地評価となるのでしょうか。第三者であっても使用貸借として更地評価になるのでしょうか。

以下の状況から判断すると、賃貸借であると考えられるため、貸宅地として評価できると考えます。

・被相続人にとって、Aは親戚関係になく第三者である
・Aの死亡後も賃貸借関係が継続している
・昭和60年にAの妻Bが建物を建て替えている

民法599条には、使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失うとあります。

また、民法597条には、返還の時期を定めなかった場合は、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わったときに、借用物の返還をしなければならないとあります。

Aの死亡後も効力を失わずに賃貸借が継続しており、また建て替えの際に建物を壊しても返還せずに賃貸借が継続していますので、これらの状況から賃貸借であると判断しても問題ないと考えられます。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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