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チェスター相続税実務研究所

有料老人ホームの入居一時金

2015/09/29

配偶者である相続人(例えば妻)が有料老人ホームに入居している場合に、入居一時金を被相続人(例えば夫)が支払っている場合が多く見受けられます。契約書を確認すると入居者が死亡した場合に返還金受取人が指定されていることが一般的です。通常は、契約者が返還金受取人となっており、入居一時金を負担している場合がほとんどですが、稀に契約者と負担者が異なる場合や、返還金受取人を契約者・負担者とは別の者にしている場合もあります。

それでは、

入居者:妻(相続人)
契約者:妻(相続人)
入居一時金負担者:夫(被相続人)
返還金受取人:子(相続人)

となっている場合には税務上どのように取り扱うのでしょうか。

入居一時金に充てる為の契約時における被相続人の出金は、被相続人から配偶者に贈与として取扱われます。また、贈与税についても、入居する有料老人ホームが豪華なものではなく、社会通念上、日常生活に必要な通常認められる程度の施設であれば、生活費の贈与として贈与税が非課税となります。

上記のような、配偶者拠出の入居一時金は、贈与税の課税対象になり得ます。
この判断の分かれ目となるのは、配偶者による入居一時金の拠出が、入居者の生活費に充てるために通常必要と認められるものかどうか、つまり贈与税の非課税財産である「扶養義務者相互間において生活費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」(相続税法21条の3第1項2号)に該当するかどうかです。

この点について、被相続人が生前に配偶者のために入居一時金を拠出した事例で、その入居一時金が、贈与税の課税財産に該当するか否かが争われた国税不服審判所の裁決事例が複数あり、
①老人ホームの設備のグレードから、入居金に相当する金額は、介護を必要とする配偶者の「生活費」に充てるために通常必要と認められるものであると解するのが相当とし、相続税法21条の3第1項2号に規定する「贈与税の非課税財産」に該当すると判断した事例と、
②老人ホームの設備のグレードから、社会通念上日常生活に必要な住の費用であると認めることはできず、「生活費」には該当しないとして「贈与税の非課税財産」に該当しないと判断した事例に分かれます。

上記の①と②の事例は、老人ホームの設備のグレードによって判断が分かれているとも考えられますが、本来「生活費」は必要の都度、支給されるべきとの考え方があり、たとえ老人ホームの設備のグレードが豪華なものでなくても、介護の必要性もないのに一時金を配偶者に負担させて入居したような場合には、その入居一時金が贈与であるとの指摘を受けないとは限りません。

一方、負担者(夫)が死亡した時点においては、入居者である妻が生存しており契約が継続しているため、その時点で入居一時金の返還はありませんが、夫が拠出した資金はいずれ(入居者である妻が死亡した時点において)、子が返還金を受け取ることができます。そうすると、その返還金は、夫(子からすると父)の相続開始時において、返還金受取人に指定されている子に移転してものとみるべきであり、相続税の課税財産として計上すべきこととなります。

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