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税務調査における「相続財産以外の所有財産」の提出の有無について

2013/10/07

相続税の税務調査において、調査官が各相続人に対し「相続財産以外の所有財産」という書面の提出を求める場合があります。

この書面には、亡くなられた方(以下「被相続人」といいます。)が所有する財産ではなく、相続人ご自身が所有している財産を記載する必要があります。預貯金であれば、取引銀行・支店・預金の種類・口座番号・相続開始日における残高等、詳細な情報の記載が求められます。

相続税の申告では、被相続人名義の財産以外でも実質的な所有者が被相続人の財産である場合には相続財産として申告しなければなりません。

相続税の税務調査では、このような財産について申告が漏れていないかどうかを確認します。そのために、各相続人に対し「相続財産以外の所有財産」という書面の提出を求め、被相続人の財産か、相続人の財産かを確認していると考えられます。

この書面は、強制力がある書面ではなく、任意の書面と考えられますので、提出するかしないかは、相続人の判断に委ねられます。ただし、調査官と無用のトラブルを起こしてもメリットはないので、任意で協力するという姿勢で提出された方がよいでしょう。

また、この書面は、相続人が承知している“すべての”相続財産以外の所有財産を記載しなければなりませんので、財産の一部を記載しなかった場合には、記載しなかった財産について、相続財産であると認定される可能性があります。

税務当局は、全国すべての金融機関の個人が所有する口座を把握することはできませんが、過去の税務申告の内容、調査、取引資料等から情報を収集し、個人別にデータを管理しています。税務当局が個人に関する100%の情報を保有している訳ではないので、税務調査において当該書面の提出が求められるケースがあるのですが、提出が求められた際には、相続人が承知している全ての財産を記載することが望ましいと考えられます。

※この記事は専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。なお、ご指摘がある場合にはお手数おかけ致しますが、「お問合せフォーム→掲載記事に関するご指摘等」よりお問合せ下さい。但し、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。

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