チェスター相続税実務研究所
一括借上契約で賃料支払開始前に建物所有者の相続が発生した場合の不動産の評価
2014/02/10
アパートを建設して不動産貸付業を行う場合に、空室リスクを避けるため一括借上契約を締結するケースが多く見受けられます。
この場合、一括借上を行った業者が入居者を探してきて物件の転貸をするということになるのですが、入居者が決まるまでにはそれなりの時間がかかるため、契約が発生してから3か月程度は業者から所有者に家賃が支払われないのが一般的です。
それでは、その家賃が支払われない期間中に相続が発生した場合は、貸家建付地として評価を行って良いのでしょうか。
平成7年の国税不服審判所の裁決事例を見てみると、貸家建付地評価の要件として、『通常の賃料に相当する金銭の授受があること』とあります。
ただ、平成7年当時には今回のような一括借上げというような契約形態はなかったのではないでしょうか。
仮に賃料開始前の期間であっても、実際に建物に賃借人が存在しているのであれば、その賃借人の権利は発生していると考えられますので、貸家建付地評価をすることができると思われます。
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