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チェスター相続税実務研究所

土地の占有につき月々地代を支払っていなくても借地権評価をする場合

土地所有者以外の者が土地を借り受け占有し、それについて地代を支払っていない場合、通常、当該土地は使用貸借にかかる土地として、自用地評価をすることになります。
では、以下のような場合でも、自用地評価をすべきなのでしょうか。

1.本件土地の所有者は被相続人Xである。
2.被相続人Xは、従前Aに本件土地を貸しており(借地権)、Xの相続開始5年ほど前に、Aに対して、立退料として、相続人であるYが5,000万円を支払い、土地を明け渡してもらった。
3.2の後、相続人Yは、Xの同意を得て、本件土地上に自己所有の建物を建てたが、Xに対して賃料の支払いはしていない。
4.本件土地の相続税評価額は5,000万円である。

それでは、「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」という個別通達を抜粋して見ていきましょう。

(使用貸借による土地の借受けがあった場合)
1 建物又は構築物・・・の所有を目的として使用貸借による土地の借受けがあった場合においては、借地権・・・の設定に際し、その設定の対価として通常権利金その他の一時金・・・を支払う取引上の慣行がある地域・・・においても、当該土地の使用貸借に係る使用権の価額は、零として取り扱う。

ここまでは、原則的な扱いであり広く知られているところですが、通達は後段に続きます。

この場合において、使用貸借とは、民法(明治29年法律第89号)第593条に規定する契約をいう。したがって、例えば、土地の借受者と所有者との間に当該借受けに係る土地の公租公課に相当する金額以下の金額の授受があるにすぎないものはこれに該当し、当該土地の借受けについて地代の授受がないものであっても権利金その他地代に代わるべき経済的利益の授受のあるものはこれに該当しない。

太字の部分に着目しますと、本事例では、相続人が土地全体の相続税評価額にも相当する多額の立退料を支払っています。

この通達に言うところの「権利金その他地代に代わるべき経済的利益の授受のあるもの」にあたると評価できるため、使用貸借に該当しないと考えられます。

したがって、このような事例では、使用貸借として自用地評価をするのではなく、Yが借地権を有するものとして本件土地を評価することとなります。

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